教育学科 初等教育専攻

確かな「授業力」と人間性豊かな教員を。

豊かな人間性と、実践的な指導力、確かな「授業力」を備えた教員を目指します。その軸となるのが、4年間を通じて継続的に行う「往還型教育実習」です。教室で学んだことを現場で確かめ、現場での経験と課題を大学で研究する。その繰り返しにより、高度な専門性と教員としての実践的指導力を養います。

学問の魅力

教育現場での実習により「確かな授業力」を身につける

教育学科初等教育専攻では、大学入学と同時に「小学校教諭1種免許」の取得を目指すカリキュラムを実施しています。現代の教育現場で求められる、豊かな知識と人間性に裏付けされた「確かな授業力」。これを身につけられるよう、教科教育の授業を充実させるとともに、1週間に1回、小学校の教育現場を体験できる「往還型教育実習システム(東洋大学モデル)」を採用しています。さらに少人数制の演習を4年間必修とし、学生それぞれの個性を尊重しつつ、一人ひとりの学びを深めています。

学び方

現代社会と教育現場の課題に対応できる力を育む

初等教育は人間形成の基礎となる重要な時期です。現代社会では、「確かな授業力」はもちろんのこと、英語教育や特別支援教育に対応できる力、学校・地域・家庭の連携を促すことができる力を持った教員が特に求められています。現代社会と教育現場の抱えるさまざまな課題について柔軟に対応できること。そして児童だけでなく、保護者や同僚とも信頼関係を築きながら教育に携わることのできるコミュニケーション能力があること。本専攻ではそんな「初等教育のスペシャリスト」を育てます。

グローバル化への対応

  • 海外留学を積極的に応援します。
  • 1年次から開講されるゼミナールでは、自身の「問い」を見つけ、独力で、ときには仲間の力を借りながら解決できるよう、きめ細やかな支援を行います。4年間の学びを通して育まれる主体性や協調性、課題解決能力は、グローバル社会を生きる上でも大きな力となるはずです。
  • 「小学校英語」を専門とする専任教員による手厚い授業により、将来のグローバル社会を担う子どもたちの育成に強みを持つ、小学校教師の育成を目指します。

4年間の学び

教員としての幅広い教養と実践的な指導力を修得する

小学校教員としての実践的な指導力の養成を目標としています。その一環として、往環型教育実習を行います。また、教育に関係する5つの領域(教育と現代社会、心理学と発達臨床、学校教育、社会教育、特別支援教育)を人間発達専攻と共有し、教員として幅広い教養が修得できる環境を整えています。

卒業論文のテーマ例

  • 令和の日本型学校教育に資する授業様式に関する実践的研究 -教師主導の学び(teacher-led learning)における談話分析の視点-
  • 近現代日本における学歴社会の発生と展望 〜初等・中等教育機関の拡大に着目して〜
  • ひきこもりの若者を支援する社会教育の検討 -主体的な意欲を育む「居場所」としての視点から-
  • 小学校における教科担任制導入の実態について -先駆的な実践例と面接調査校の取り組みを参考にして-
  • 人を夢中にする教育は可能か -楽しさに注目した学習の展開-
  • SDGsに関する教材開発 -かるた制作を通して-

学びの取り組み

初年次導入教育の充実「大学生として学ぶ」・「教育学演習Ⅰ」

教育学科では、新入生を対象とした必修科目として「大学生として学ぶ」(春学期開講、2単位)および「教育学演習Ⅰ」(秋学期開講、同)を設け、初年次導入教育の充実を図っています。
この科目の共通テキストとして、東洋大学文学部教育学科編『大学生として学ぶ--教育学入門--』を作成しました。このテキストでは、3つの章(「大学生活と学び」、「学びの技術」、「教育学科で豊かに学ぶ」)を通して、大学生として教育学を学んでいく上での基礎的事項を説明しています。新入生は、「大学生として学ぶ」の授業でこのテキストを一通り学びます。それから秋学期「教育学演習Ⅰ」における各自の発表へと進みます。発表は教育研究の諸領域の中から、各自の調べてみたい教育問題について情報の収集と分析を行い、その成果をプレゼンテーションし、質疑応答を受け、担当教員から指導・助言をもらうというものです。

1・2・3・4年次一貫の教育学演習指導

教育学科では、4年次学生に「卒業論文」作成を課しています。
この「卒業論文」作成につなげるために、1年次必修の「大学生として学ぶ」・「教育学演習Ⅰ」の上に、2・3年次にはそれぞれ「教育学演習ⅡA・ⅡB」・「教育学演習ⅢA・ⅢB」を、4年次には「教育学卒論演習A・B」を設けています。
「教育学演習ⅡA・ⅡB」および「教育学演習ⅢA・ⅢB」では、学生は事前に提出した「研究テーマ」と「受講希望ゼミ」を記入した「教育学演習受講希望票」をふまえ、学生の「研究テーマ」に近い専門領域の教員のゼミナールに所属することになります。
当該教員は、それぞれの学生の「研究テーマ」について、ゼミナールにおける発表や質疑応答、助言などで指導していきます。
これらのステップを経て、「論文タイトル」・「研究の目的・動機」・「研究方法」を記入・提出した「卒業論文計画書」に基づき、卒業論文指導教員が決められます。そして4年次にはこの指導教員のもと、「教育学卒論演習A・B」で指導を受けつつ「卒業論文」作成を行います。

「往還型教育実習(東洋大学モデル)」による実践的指導力の育成

急激に変化する環境の中で成長・発達する子どもについて、深く理解する力と豊かな人間性を備えた小学校教員の養成を目指します。そのため、教育に関する必修科目(教育学概論、教育心理学概論、生涯学習概論Ⅰ、教職論、特別支援教育基礎論)および5領域の選択科目群(「教育と現代社会」、「心理学と発達臨床」、「社会教育」、「学校教育」、「特別支援教育」の各選択科目群)を通して、現代の教育に関する総合的な理解力を育みます。同時に、「往還型教育実習」(1年次は小学校での観察実習、2年次、3年次は週1日および1週間程度の集中実習)を通して、実習協力校での教育実践の学習と大学での教育学の学習とを結び付け、実践的指導力を養います。