教育学科 人間発達専攻

新たな感覚で「生涯学習基礎力」を。

子どもから高齢者まで、すべての世代が発達の過程にあるとする「生涯発達」の捉え方を軸に、教育を多面的に考えます。多様化する教育へのニーズに応えるため、教育学だけでなく、歴史、哲学、心理学、社会学、特別支援教育などへと学びの領域を広げます。4年間を通して開講されるゼミナールでの学びと経験から、現代社会が直面する課題に、主体的に関わる力を目指します。

学問の魅力

不登校、いじめ、特別支援教育などの今日的課題に取り組む

情報化や国際化、高齢化の波を受けて、いま、教育のあり方が大きく変わろうとしています。不登校やいじめ、特別支援教育、環境教育、生涯学習など、従来の「教科教育」というジャンルに当てはまらない課題を解決するためには、広い視点と開かれた感覚が求められます。教育学科人間発達専攻では、「生涯にわたる発達」という視点から、教育学を中心に、歴史、哲学、心理学、社会学、特別支援教育を学ぶことによって、現代社会における教育の根本を追究していきます。

学び方

新しい感覚で教育を広く捉えられる力を育む

本専攻では、人生を豊かにするために、新しい感覚で教育を広くとらえる「生涯学習基礎力」を備えた人材を養成します。そのために、古い価値観に縛られない感性を育み、現代社会の教育的課題を主体的に解決できる力を身につけていきます。
4年間の学びを通して、教育への多様なニーズに応える基礎となる能力を得た卒業生は、中学校や高等学校、特別支援学校の教諭としてだけでなく、社会教育や福祉の分野などの幅広い領域で活躍しています。

グローバル化への対応

  • セメスター制の導入により、今まで以上に海外留学しやすくなりました。
  • さまざまな問題に対する開かれた発想と、グローバル人材の土台となる自己の確立の支援を目的として、1年次から4年間にわたってゼミナールを展開し、ゼミを通したきめ細やかな指導を大切にしています。

4年間の学び

専門科目に教育に関わる5つの領域を設置

教育という分野で、社会に貢献できる人財を育成するためのカリキュラムを展開しています。 本専攻では、1年次から少人数制のゼミに参加できるのが特徴です。
専門科目は「教育と現代社会」「心理学と発達臨床」「社会教育」「学校教育」「特別支援教育」の5つの領域を設けており、学生一人ひとりの関心に合わせて専門分野の学びを追究していくことができます。

卒業論文のテーマ例

  • 外国人児童生徒に対する支援の現状と課題 ーNPO法人の支援活動に着目してー
  • 発達障害児の家族支援に関する研究 -保護者・きょうだいが抱える悩みに焦点をあてた検討-
  • 日本の大学の将来像を考える -国際化、オンライン化、少子化への対応-
  • 「いのち」を考える津波防災教育 -災害と「いのち」に向き合う教育の検討-
  • 大学生に対するキャリア支援の現状と課題 -発達障害学生を含めたキャリア支援の検討-
  • 生涯スポーツとその取り組み -誰もがスポーツを楽しめる環境へ-

学びの取り組み

初年次導入教育の充実「大学生として学ぶ」・「教育学演習Ⅰ」

教育学科では、新入生を対象とした必修科目として「大学生として学ぶ」(春学期開講、2単位)および「教育学演習Ⅰ」(秋学期開講、同)を設け、初年次導入教育の充実を図っています。
この科目の共通テキストとして、東洋大学文学部教育学科編 『大学生として学ぶ―教育学入門―』 を作成しました。このテキストでは、3つの章(「大学生活と学び」、「学びの技術」、「教育学科で豊かに学ぶ」)を通して、大学生として教育学を学んでいく上での基礎的事項を説明しています。新入生は、「大学生として学ぶ」の授業でこのテキストを一通り学びます。それから秋学期「教育学演習Ⅰ」における各自の発表へと進みます。発表は教育研究の諸領域の中から、各自の調べてみたい教育問題について情報の収集と分析を行い、その成果をプレゼンテーションし、質疑応答を受け、担当教員から指導・助言をもらうというものです。

1・2・3・4年次一貫の教育学演習指導

教育学科では、4年次学生に「卒業論文」作成を課しています。
この「卒業論文」作成につなげるために、1年次必修の「大学生として学ぶ」・「教育学演習Ⅰ」の上に、2・3年次にはそれぞれ「教育学演習ⅡA・ⅡB」・「教育学演習ⅢA・ⅢB」を、4年次には「教育学卒論演習A・B」を設けています。
「教育学演習ⅡA・ⅡB」および「教育学演習ⅢA・ⅢB」では、学生は事前に提出した「研究テーマ」と「受講希望ゼミ」をふまえ、学生の「研究テーマ」に近い専門領域の教員のゼミナールに所属することになります。
当該教員は、それぞれの学生の「研究テーマ」について、ゼミナールにおける発表や質疑応答、助言などで指導していきます。
これらのステップを経て、「テーマ(研究課題)」・「問題設定の理由と全体計画」・「研究方法」等を記入・提出した「卒業論文計画書」に基づき、卒業論文指導教員が決められます。そして4年次にはこの指導教員のもと、「教育学卒論演習A・B」で指導を受けつつ「卒業論文」作成を行います。

専門5領域にわたる「生涯学習基礎力」の育成

本専攻では、「人間の発達」を生涯にわたる人間の変化そのものとしてとらえ、研究の対象としています。
生涯にわたる人間の発達を理解し研究するためには、人間と人間を取り巻く社会や文化について、広く深い知見が必要となります。つまり、学ぶための素地が求められるのです。そこで、本専攻では生涯にわたる人間発達を研究する基礎を養うため、「教育学概論」「教育心理学概論」「生涯発達心理学」「生涯学習概論Ⅰ」「教職論」「特別支援教育基礎論」を、必修科目として配置しています。
そしてこの基礎の上に、研究に必要な多様な視点を培うため、5つの専門的領域にわたって選択科目群を配置しています。「教育と現代社会」(「教育の現代的課題」、「社会文化史」、「教育とシチズンシップ」など)、「心理学と発達臨床」(「家族心理学」、「教育相談の理論と方法」、「発達障害児・者の心理と教育」など)、「社会教育」(「生涯学習概論Ⅱ」、「グローバル化と学習」、「社会教育経営論Ⅰ」など)、「学校教育」(「教育課程論」、「児童文化研究」、「授業論」など)、「特別支援教育」(「特別支援教育原論」、「知的障害教育総論」、「ユニバーサルデザイン教育Ⅰ」など)です。学生はこれらの科目の履修を通して、「生涯学習基礎力」の習得を目指します。