事業報告 Reports

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教育・研究機関として
社会と連携し、開かれた大学へ

Collaborating with Stakeholders as an Educational and Research Institution to Become a University Open to Society

学生による社会貢献と地域活性化を推進
新たな助成・表彰制度の設立
Promoting Student-led Social Contribution and Regional Revitalization by Establishing New Grant and Commendation Systems

社会貢献に対する活動助成と表彰

社会貢献センターでは、学生のボランティア活動などの社会貢献活動支援を目的とし、団体への活動助成制度の設立と、従来の学生(団体・個人)の社会貢献活動に対する表彰制度を改定しました。

「活動助成」は、学生団体による主に国内で行われる社会貢献プロジェクトに対して、助成する制度。新たな取り組みを支援する『新規活動助成』と、1年以上の活動実績に対して継続支援する『継続的活動助成』に区分し、社会貢献センター運営委員会にて書類選考とプレゼン審査をします。

なお、この場合の「学生団体」とは、ゼミ活動を除く、本学学生(大学院生を含む)が1団体あたり最低3名以上在籍し、かつ、メンバーの大半が本学学生とします。

2019年度は下記の学生団体プロジェクトが採択されました。

Grant and commendation for social contribution activities

To support students’ social contribution activities, including volunteer activities, the Center for Social Contribution established a grant system for group activities, and revised its commendation system that previously targeted social contribution activities conducted by students (groups and individuals).

The activity grant system is aimed at financially supporting social contribution projects implemented by student groups mainly in Japan. Grant recipients are selected in two categories—grants for new activities and grants for continued activities lasting one year or more—through document-based screening by the Center for Social Contribution Operating Committee.

A “student group” refers to a non-seminar group that includes three or more Toyo University undergraduate or graduate students, who constitute the majority of the group.

Student group projects selected in AY2019 are as follows:

学生団体名 プロジェクト概要 区分
読み聞かせ朗読会 絵本や紙芝居などの読み聞かせや、パネルシアターと手遊びを用いた参加型おはなし会 継続
GoodNeeds
(グーニーズ)
小学生を中心とした子どもたちとのアウトドア活動
国際ボランティアサークル Salamat フィリピン・セブ島におけるデイケアセンター(幼稚園)の建設協力
福島県いわき市の活性化を考える会 いわき市の伝統的祭礼の大國魂神社例大祭と平下高久八剱神社例大祭の運営補助と参加 in Iwaki City 新規
国際地域能登太鼓チーム 石川県能登半島の「能登の太鼓」の地元団体を本学白山祭に誘致し、コラボ演奏を披露

社会貢献活動に対する表彰には、2019年度は個人5名、団体2件からの応募があり、社会貢献センター運営委員会にて書類選考の結果、以下の個人2名を表彰しました。

In AY2019, the commendation system for social contribution activities attracted applications from five individuals and two groups. After document-based screening was performed by the Center for Social Contribution Operating Committee, the following two individual students were commended.

氏名 学部名 主な活動内容
山下 未玖 社会 2019年2月末から同年9月までの半年間、アフリカのタンザニア、ザンビア、ウガンダの3ヶ国でボランティア活動。主な活動は幼稚園での英語教育や青空教育、ウガンダでは飲み水の水質改善のために、子どもたちと濾過器を製作。
三澤 岳志 社会 ラオス・チャンパサック県パクソン郡の2つの小学校で、「九九の歌普及活動」を実施。

地域活性化活動支援事業

2016年度より、教員と学生が共同で行う「地域活性化活動支援事業」をスタートしています。2019年度は19企画の応募があり、社会貢献センター運営委員会にて選考の結果、以下の18企画が各地で活動を行いました。

Regional revitalization activity support program

Since AY2016, the regional revitalization activity support program has been implemented to facilitate collaborative activities between instructors and students. In AY2019, out of 19 applications, 18 passed screening by the Center for Social Contribution Operating Committee, with the applicants conducting their regional revitalization activities in various locations.

2019年度 地域活性化活動支援事業一覧

NO 教員名 学部 学科 活動名 概要
1 箕輪 允智 法学部 企業法学科 地域と自治体行政とゼミの連携による地域復興・活性化 福島県矢祭町という人口減少に直面した地域で、数年間放置された小学校の廃校について周辺住民、および町全体の合意を得つつ地域の活性化に資するよう活用すべき策を構想し、実現に向け周辺住民と自治体行政と連携して取り組んでいく。
2 佐々木 茂 国際観光学部 国際観光学科 南会津町観光まちづくりデザイン研究 南会津町役場や観光協会、地域おこし協力隊と連携しながら、複数箇所の地域文化の調査を行い、また、実際にゼミ生が文化活動にも参加し手伝いもしながら、南会津町においてこうした伝統文化を持続的に存続させる方法を検討する。
3 須賀 忠芳 国際観光学部 国際観光学科 「大内宿雪まつり」運営補助支援活動 活動地域は会津・南山通りの江戸期宿場町の景観を今に伝え、重要伝統的建造物群保存地区にも指定されている、大内宿(福島県南会津郡下郷町)である。内容は、2月半ばに開催される「大内宿雪まつり」の運営補助支援活動で、雪まつりのステージ作りや、見学ルートにおける除雪整備作業、雪灯篭の構築補助、現地イベントの準備・運営を主に行う。
4 佐野 浩祥 国際観光学部 国際観光学科 富士宮市における食文化振興プロジェクト 静岡県富士宮市は、近年はB級グルメを通して全国的な知名度が向上し、市の基本政策の中でも「フードバレー構想」を掲げている。富士宮市の推進する「食のまちづくリ」という文脈を踏まえつつ、観光客の滞在時間増加ひいては観光消費額の拡大を企図し、富士宮の新たな食資源を発掘・活用することを主眼としている。
5 藤井 信幸 経済学部 国際経済学科 山梨県北杜市増富地区における里山再生支援活動 北杜市増富地区において支援要請のある水路修復、除草、道路清掃はいずれも多くの人手を要する作業であり、大人数の若者の参加が不可欠である。2018年度は2本の水路を塞いでいる土砂の除去、県道「塩川トンネル」内の清掃、蕎麦畑の除草に3日間で延べ約150名を投入し、3日間で作業を終えた。行政の対応が不可能なこれらの作業を今年度も継続する。
6 志摩 憲寿 国際学部 国際地域学科 奄美諸島における「なりわい」と「すまい」を通じた地域創生:奄美大島龍郷町における空き家利活用の取り組みを通じて 本活動は、奄美大島・龍郷町において、NPO法人なりやかなやレジデンスの活動の協力の下、町内全20集落の空き家の現状調査を実施し、さらに、昨年度調査を実施した龍郷集落において空き家利活用策を具体化させることを狙うものである。継続申請3年目にあたる本年度の活動は、昨年度までの現状調査をより実践的な社会貢献活動へと展開させるものである。
7 柏樹 良 ライフデザイン学部 人間環境デザイン学科 南会津町、森林活性化デザイン活動 2019年度は主に南会津町の町有林で産出された落葉広葉樹を使用した文房具のデザイン開発をゼミ活動として行う計画である。地域特有の風土や社会事情、その地域の人々との交流を通じて、今回デザインする文房具の背景が生まれ、そのストーリー性が地域ブランディングの重要な要素になると期待している。
8 神野 宏司 ライフデザイン学部 健康スポーツ学科 世代間交流形式の健康体操教室による地域在宅高齢者に対する健康づくり活動 活動地域である朝霞市は加齢に伴う健康状態の変化に関心が高く、さらに自ら地域に根差して人々との交流を望む高齢者が多くみられる。そこで学生とともに在宅高齢者を主たる対象としたセルフケアに役立つ体操の習得を目指した健康教室を実施し、そのプログラムを習得することを通じて参加者が他の在宅高齢者に対する地域活動への参入を促す仕組みに取り組む。
9 細谷 洋子 ライフデザイン学部 健康スポーツ学科 エコハウス「アースシップ」を拠点としたレクリエーションプログラム開発による地域振興 本活動では、徳島県における日本初の「アースシップ」という自給自足を実現する施設を拠点に、レクリエーションプログラム開発を通じて地域住民との交流や地域住民間の交流を深めることによって、過疎地域の徳島県美馬市の地域振興のみならず地域住民や参加者の防災意識啓発に資する取り組みである。
10 岡本 郁子 国際学部 国際地域学科 佐賀市中山間地域における住民主導型地域活性化活動支援 佐賀市の中山間部(例:名尾地区)は高齢化率40%近い典型的な過疎村であり、地域外の団体・人との交流事業を拡大することに力を入れている。本取り組みは、地域が日常的に抱えている課題や作業に直接的に支援することで、地域住民の負担を軽減することを目的とする。また、地域住民との交流を通じて地域の活性化に貢献する。
11 藪長 千乃
高橋 一男
国際学部 国際地域学科 能登ゼミ(里山の森・伝統文化の保全活動) 森の保全とお祭りの準備・実行・片付けは、いずれも高齢者には難しく人手も必要である。これらの活動に取り組み、また地域住民を招いた成果報告会を開催し意見交換を行うことで、限界集落の活性化に寄与することを目指す。
12 井上 武史 経済学部 総合政策学科 公共交通改善への調査提言活動 地方圏では自動車の普及により公共交通の衰退が進んでいるが、今後は高齢化の加速とともにコンパクトシティの形成と公共交通の活用によるアクセシビリティの改善が課題となっている。本活動はバスを対象とした公共交通の改善に向けて学生自身が現地を訪れ、調査研究活動を行うことで、本学における社会貢献活動のさらなる発展に寄与する取り組みである。
13 神山 藍 理工学部 都市環境デザイン学科 埼玉県小鹿野町における地域資源を活かした観光ルートの企画 小鹿野町の観光振興に資するような地域資源を発掘し、「地域資源マップ」として可視化した上で、地域資源をつなぐ観光ルートを企画することを第一の目標とする。あわせて、小鹿野町担当者や地元関係者とのニーズを調整し、来年度以降に活動を行う集落も含め、活動内容を具体的に検討する。
14 佐藤 亜樹 社会学部 社会福祉学科 NPO法人ねりまねこ「地域猫のすすめ」を通しての住民組織化活動 地域猫活動を行っている「ねりまねこ」の定例会、地域猫の見守り、里親募集イベント、地域住民同士のトラブル解決のための自治会や社会福祉協議会・行政との連携等への参加・サポートを行う。
15 長津 一史 社会学部 社会文化システム学科 在住外国人と協働する宮城県気仙沼の復興活動の支援 本活動の目的は、地域おこしを通じた復興活動を行っているNPOおよびインドネシア・フィリピン人との間に構築してきた信頼関係を土台として、在住外国人と協働する気仙沼の復興活動を支援することにあり、活動への参加を通していまだ多くの支援を必要とする三陸地域の復興の現状を広く世間に伝えていく。
16 田中 雅敏 法学部 法律学科 香川県さぬき市とアイゼンシュタット市(オーストリア)との姉妹都市交流協力 香川県さぬき市が活性化しようとしている、姉妹都市オーストリア・アイゼンシュタット市との交流をプロデュースする。本取り組みが終了した後も、さぬき市が独自に継続して活動を続けられるよう、持続可能な活動を組み立てる。
17 左地 亮子 社会学部 社会文化システム学科 北海道壮瞥町における農業と観光を核にした地域活性化活動の検討 北海道壮瞥町は、近年は少子高齢化による農業従事者の担い手不足の問題を抱えてきた。こうした中で、Iターン移住者を対象にした就農支援に取り組むと同時に、洞爺湖サミット開催とその後の外国人旅行者の急増を受けて、観光業にも力を入れている。本活動では、学生が「就農を通した移住支援」と「サミットのレガシ―を活用した観光」という2つの地域活性化活動を現地調査し、当該地域を今後さらに盛り上げていくための提案、および他過疎地域への応用などに関する知見を報告書にまとめる。
18 川原 恵子 社会学部 社会福祉学科 異世代交流会:独居等高齢者のゆるやかなネットワークづくり 障害児者支援のNPOの協力を得て、普段支援を受ける側に立つことの多い障害のある方々にも協力いただき、学生と一緒に高齢者をお迎えする側になって交流活動をする。普段の生活ではほとんど関わることがない人とも気軽にコミュニケーションを取れるよう、さまざまな仕掛けを工夫することで、高齢者や障害のある方々を取りまく緩やかなネットワークの構築に寄与することを目的とする。