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2025年11月12日

2007年に世界で初めて、京都大学の山中伸弥教授によって「ヒトiPS細胞」の作製が報告されました。iPS細胞 とは、induced Pluripotent Stem Cellsの略で、「人工多能性幹細胞」と呼ばれています。また、iPS細胞は、「人工的に作られたES細胞」と言い表すことができます。ES細胞とは、Embryonic Stem Cellの略で「胚性幹細胞」または別名「多分化能幹細胞」と呼ばれています。これは、動物の発生初期段階である胚盤胞の内部細胞塊から作られる幹細胞で、培養皿の中で特殊な培養液を用いると、体のさまざまな細胞に分化することができます。

ES細胞とiPS細胞を比較すると、この2つの細胞は全く同じ性質を持っていますが、作り方が異なります。ES細胞は受精卵からしか作製することができないため、受精卵を壊す動作が入ることにより倫理問題が生じ、研究が困難な状況でした。しかし、受精卵を使わずに作製することができるiPS細胞が誕生したことで、医療応用研究はもちろん基礎研究も積極的に進められています。例えば、AIと機械学習を活用しながらリプログラミング機構や分化機構の解明、分化指向性の原因となる因子やゲノム間ネットワークの解析、疾患モデル細胞による病態の解析や新しい治療法の開発が行われています。また、iPS細胞で病気の再現を行うことで、発症メカニズムの解明や薬の開発にも役立てられています。

現在、パーキンソン病(神経細胞)や脊髄損傷(脊髄)、白血病(免疫細胞)など、さまざまな疾患に対する臨床研究が進行するなか、iPS細胞から分化させた神経細胞を患者に移植する治療法も実用化に近づいています。このように再生医療をより発展させ、多くの病気を克服するためには、iPS細胞自体の基礎研究が重要な鍵を握っているのです。

cf-staff-西野_光一郎

氏名 (姓名は半角スペース区切り)
西野 光一郎
職名
教授
学部
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学科・専攻
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サムネイル写真
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フリーテキスト (専門、等)

専門:再生医療、ゲノム工学、 エピジェネティクス

  • 掲載内容は、取材当時のものです

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