「AI」とは、Artificial Intelligenceの省略語であり、日本語では「人工知能」を意味します。AI(人工知能)を活用した身近な技術には、例えば、文章を理解して適当な返答文を作成するChat GPT、テキストの内容から適当な動画を作成するSoraやGen、プロンプトの内容から適当な画像を作成するStable Diffusionなどがあります。人工知能は、脳の機能を人工的に再現することでつくられ、人間と同じように学習することで脳の働きを高めていくことができます。現在のAIを支える技術には、Deep Learning(ディープラーニング)と呼ばれる深層学習の手法が重要な鍵を握っています。さらにそのディープラーニングの基になった技術が、Neural Network(ニューラルネットワーク)と呼ばれるものです。ニューラルネットワークとは、生物の脳の神経回路網を模倣した数理モデルのことで、階層型ニューラルネットワークでは、入力層、中間層(隠れ層)、出力層から構成されています。中間層が増えて階層が多層になったものをディープニューラルネットワークと呼び、ディープラーニング(深層学習)の考え方の基になっています。そこから派生して、さまざま人工知能が生成されています。ディープニューラルネットワークは、さまざまなデータから学習し、AIの精度を高め、難解な問題に対しても予測しながら答えを導き出すことができます。その一方で、どんなに進化したAIであっても、正解に近い答えは出せても、間違えることがあるため万能ではありません。世間では、AIに対して、「人間の仕事を奪う存在」「人間の能力を超える可能性がある」といった怖いイメージを持つ人もいます。しかし、AIはあくまでも人間が使う道具の一つです。私たちが、よりよい社会や未来を実現するために、AIと正しく向き合い、どのように活用していくかを考えることが大切です。

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増田 正人准教授総合情報学部 総合情報学科 システム情報専攻

  • 専門:人工知能、計算力学、データサイエンス
  • 掲載内容は、取材当時のものです