コピーライト(著作権)とは、 著作物の作者に与えられる権利で、作者だけが作品の複製を許されます。今の時代は、ネットワーク上に、ソフトウェアや音楽、映画など、さまざまなコンテンツやデータがあふれ、そこには多くのデジタル海賊版が存在します。著作権を無視して、同じ製品の無料版をダウンロードする行為は、全て著作権侵害であり、コピーライトの法律に対する違反行為です。コンテンツを利用するときは、二次利用や改変が可能かを確認する必要があります。しかし現代の若者の多くは、クリック一つで簡単にダウンロードすることが当たり前であり、コピーライトの重要性をよく知らないため、コピーライトそのものが創造性の侵害だと考えて、著作権の廃止を訴える人もいます。そこでハーバード大学のローレンス・レッシグ教授は、解決法として “権利を開放せよ” “自由を与えよ” “作者を尊重せよ”と3つのポイントを挙げ、作者の権利を認めつつ、二次利用や改変を可能にすることで既存の文化を変えていく提案をしています。その具体的な方法が「クリエイティブ・コモンズ」と呼ばれる活動であり組織です。作者が利用条件の範囲を選択し意思表示することで、利用者はコンテンツや作品を自由に利用できるようになります。このシステムによって、利用者は、音楽の編曲や画像のコラージュなど、作品に対して受け身ではなく、能動的になることができます。そのほかにも作品の再配布や改変を許す「コピーレフト」の概念をもとに、研究者や技術者が新しい仕組みを作るなど、ソフトウェア開発においても革命が起きています。創造性や革新が尊重される社会では、コピーライトをより良く利用する方法を考えていく必要があるのです。

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カラズ ルネ准教授国際学部 グローバル・イノベーション学科

  • 専門:Economics and Management of Innovation,Intellectual Property, Open innovation,Science and technology policy, University-Industry-Society collaboration, Knowledgemanagement, Urban creativity, Public space.
  • 掲載内容は、取材当時のものです