今、就学前の子どもたちは保育所や幼稚園だけでなく、認定こども園、認可外園など、さまざまな状況に置かれています。授業では、就学前の子どもたちに「教える」こと、子どもたちが「学ぶ」ことについて、学生たちと一緒に考えてみます。このたび、「保育所保育指針」「幼稚園教育要領」「幼保連携型認定こども園教育・保育要領」が同時に、トリプル改訂(定)されました。それと同時に小学校・中学校・高等学校においても「学習指導要領」が改訂され、「子供たちが主体的に学ぶことを選択して、学び方を工夫できるような人に育ってほしい」という願いのもと、「学び方」に力が置かれています。それが「主体的・対話的で深い学び」というものです。今回の改訂(定)の背景には、待機児童と子どもの育ちの問題があります。現在、格差の広がりや保育の形の多様化など、以前よりもさまざまな環境の子供を受け入れることが増え、保育が高度化しています。このように必要としているすべての子どもたちに「教育的環境」を作ることが、今回の「トリプル改訂(定)」の目的なのです。これからの保育者には、保護者や地域、他の園、学校、専門機関とコミュニケーションを図りながら、共に育てるネットワーク力を身につけることが求められます。そのためにも、積極的に仲間と意見を交換し合って、自分の考えを確かめ、改めていける学びをしていき、保育の現場でそれらを生かしてほしいと願っています。

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内田 千春教授福祉社会デザイン学部 子ども支援学科

  • 専門:保育学、発達心理学、多文化教育
  • 掲載内容は、取材当時のものです