アルゴリズムとは、どのような操作をどのような手順で行うか明確な命令がなされ、問題例ごとに記述の長さが変わらない、確定された有限個で、かつ有限回で終わる(無限ループしない)、問題を解くための方法のことです。いかに早く解くかが重要なポイントになるので、桁数が増え、複雑になると、違う方法を選択し、コンピュータで計算することで時間短縮になります。しかし、コンピュータで解けない、手に負えない問題もあります。例えば世界の各都市をどの順番に回れば全体の道のりが最も短くなるか、という問題です。都市の数が200になると、その計算は3万年以上、1,000になると最先端のスーパーコンピュータを1億台つなげても天文学的時間がかかってしまうのです。こうした問題は多数あり、今でも未解決のままです。人工知能(AI)は、近年、チェスや将棋といった知的作業の分野で人間と競い勝っています。ところが、進化において長い時間をかけて獲得した感覚と運動の部分を使うスポーツでは、全く人間の相手になっていません。また、AIが解けない、計算、学習分野があることは、暗号が破られない理論的根拠として役立っているという面もあります。コンピュータのできること、できないことを理論的に考え、学び、よく踏まえたうえで、AIがやるべきこと、人間がやるべきことを議論しましょう。解けない問題にチャレンジするのか、応用を考えるのか。あなたは、どうしますか?

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土田 賢省教授総合情報学部 総合情報学科 システム情報専攻

  • 専門:視覚的ソフトウェア、グラフアルゴリズム、応用システム、人工知能
  • 掲載内容は、取材当時のものです