豊かな生活の中で利用するモノやサービスが、どこで、どれだけの環境負荷をかけているのでしょうか。また、持続可能なこの豊かな世界をなんとか将来世代に引き継いでいくために、私たちは、どのようなことをしていく必要があるのでしょうか。
そのためにはまず、全体像を的確かつ客観的に捉え、その中から課題が何かを明確にする必要があります。次に、見える化(状況把握)です。可視化することで状況や変化を目で見ることができ、直感的にわかりやすくなります。さらに、捉えたものが妥当かどうか客観的に見て、論理・理解の妥当性を得る必要があるため、要素や要因を数式でモデル化し、試算、シミュレーションをすることで、影響について把握、予測をします。また、「環境影響評価」も大切です。“原材料→製造→流通→使用→廃棄”というライフサイクルには、何をするにしてもエネルギー資源が必要です。そこには必ず、廃棄物という環境負荷が発生します。全体を通じて、どこでどれだけ負荷がかかるかを定量評価(数字にしておく)することで見える化をし、客観的な影響の理解、意思決定、環境意識の向上に生かすことができるのです。CO2排出量が100年前の10倍以上と言われる今、私たちは、環境学の知識を役立て、どのような社会、物質、技術が望ましいかを考え、創造していく時代に置かれているのです。

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清田 佳美教授経済学部 総合政策学科

  • 専門:環境・材料化学工学
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