2017年11月8日

ビートルズ来日といった音楽文化の変容、東京オリンピックをはじめとするスポーツ文化の発展、お見合い結婚から恋愛結婚へといった恋愛の文化の浸透など、戦後の日本社会は大きく変わりました。若者文化研究者である井上俊先生は、戦前と戦後の若者の変化について、「生きがい」という視点は有効なのかと考え、“「死にがい」の喪失“という論文を書きました。戦争に行く若者たちは、自分が死ぬかもしれないと考えます。家族のため、国の未来のため、死んでいった仲間たちのためなのか、どのように、何のために死んでいくのかを、真剣に考えなければならず、そこに、「死にがい」の文化が存在しました。「生きがい」と「死にがい」は表裏一体です。祖父母は、孫が怪我や病気で死にそうなとき、自分の命と引き換えに、といったことを思うでしょう。これは「生きがい」でもあり「死にがい」でもあります。しかし現代の若者が、例えば彼女彼氏のために死ねるでしょうか。井上先生の結論は、戦前の若者と戦後の若者の「生きがい」が変わったのではなく、戦前の若者が持っていた「死にがい」を、戦後の若者は失ってしまったのだ、というものでした。このような発想の転換は、大学のどの分野の学びを進めるうえでも大切な視点となるでしょう。

cf-staff-高井_昌吏

氏名 (姓名は半角スペース区切り)
高井 昌吏
職名
教授
学部
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学科・専攻
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サムネイル写真
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フリーテキスト (専門、等)

専門:大衆文化論、メディア文化論

※掲載内容は、取材当時のものです

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