日本の「観光」が変わってきています。ここ数年、政府の予測をはるかに超え、インバウンド(海外から日本へ来る旅行者)が急増しており、各分野・地域・雇用にまで経済波及効果が大きく広がっています。観光の3つの要素で見てみましょう。観光対象については、歴史や文化から、エンターテインメント、医療、産業などへと変化しており、日本全体がショールームのようです。観光者は、急増している外国人だけでなく、障害のある人、高齢者など多様化しています。観光媒体についても、外国人が外国人に、またSNSなどによって情報が発信されるようになってきています。
こうした変化によって、観光産業が求める人材も変わってきています。異文化理解や、ニーズを的確に把握するために、障害のある人や高齢者、多国籍の人材が必要で、またその人たちをマネジメントする能力を有する人も必要です。そして、情報発信するためのITの能力や、多様な分野に興味を持つ人材の確保も必要です。サービス産業自体が海外進出しているという意味では、海外市場で活躍できる能力も必要です。
観光の目的が「楽しむ」から「こと・もの・体験」に変わってきているこれからの観光産業には、こうした人材が求められていると言えます。

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飯嶋 好彦教授国際観光学部 国際観光学科

  • 専門:ホスピタリティマネジメント、ホスピタリティ企業が直面する経営上の諸問題に関する研究
  • 掲載内容は、取材当時のものです