外国語から異文化へのアプローチ

2016年7月26日

外国語を学ぶことは異文化理解につながりますが、そこには落とし穴があります。例えばパンはドイツ語でBrot(ブロート)ですが、ドイツ人の思うパンとは、日本人が思い浮かべる食パンやロールパンではありません。つまり、パン=ブロートとはいえないということになります。
また、“liebes Brot”(リーベス ブロート)を直訳すると「愛らしいパン、愛しいパン」という意味になりますが、日本人にはあまりにピンと来ない表現です。これを日本人にもわかるように訳すと、「ごはん(御飯)」ではないでしょうか。御飯の「御」は丁寧語ですが、私たちは日頃それを意識せずに使っており、ほとんど「飯」と一体化しています。「愛らしいパン」も同様です。
このように、「訳したものの、どうも意味がわからない」のは、単語の意味はわかっていても文脈(文化的な背景、脈絡)を見失っているためです。文脈を読み取ることは、異文化への非常に大切なアプローチです。外国語を楽しみながら母語を学び直し、異文化理解への道を深めていきましょう。

cf-staff-山室_信高

氏名 (姓名は半角スペース区切り)
山室 信高
職名
准教授
学部
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学科・専攻
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サムネイル写真
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専門:近代ドイツ文学、ドイツ思想史

※掲載内容は、取材当時のものです

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