身近にある問題を数理的に考察する「ゲーム理論」を使って、最も高い価格をつけた人が、二番目に高い金額を支払って商品を手に入れる、また、相手の入札価格が見えない封印入札型の「セカンドプライスオークション」について解説します。
入札者AとBがいて、1万、2万、3万、4万の中から金額を選んで入札します。
入札者Aの、商品の評価額が3万円のとき、Aはいくらで入札すれば、できるだけ少ない額で商品を手に入れることができるでしょう。例えば、Aが2万、Bが1万で入札した場合、高い金額を入札したAが商品を手に入れられ、1万円を支払うことになります。評価額が3万円でしたので、Aの利益は2万円です。
これを表にして考察していくと、Aは評価額である3万円で入札するのが一番損をしないということが分かりました。つまり、セカンドプライスオークションは、正直な商品価値を入札しておけば、相手がどんな価格で入札しても、損をすることはないオークションだといえます。
このように、簡単な数値例を使い、「ゲーム理論」によって、「セカンドプライスオークションでは、正直者は絶対に損をしない」ことを証明することができるのです。

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升田 猛准教授経済学部 経済学科

  • 専門:ゲーム理論
  • 掲載内容は、取材当時のものです