2015年12月8日

為替の変動相場制では、需要と供給によって為替レートが決まります。為替変動の3要素は貿易収支、投資(金利)、そして投機です。投機とは、高く売るために買って利鞘(売買によって得られる差額の利益金)を稼ぐことです。投機において重要なのは、期待(予測)の役割です。たとえば人々がなんらかの理由でドル高を予想した場合、今のうちにドルを買っておきます。そうするとドルの需要が増えるのでドル高となります。つまりドル高を予想して行動したら本当にドル高が起こる、これを「自己実現的期待」といいます。投機家は価格が変動することで利益を得るので、常に売り買いの材料を探しています。これが2010年にギリシャの財政赤字が表面化した際、ユーロの価格下落を引き起こした原因です。つまり財政赤字補てんのため通貨の増発があると予想し、ユーロが売られたのです。このように、投機は市場をかき回す不安定化要因です。しかし、いくつかの条件を満たせば、投機家が市場を乱す理不尽に対する対策もあるのです。

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氏名 (姓名は半角スペース区切り)
大野 裕之
職名
教授
学部
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学科・専攻
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サムネイル写真
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フリーテキスト (専門、等)

専門:経済学、財政学、応用経済学

※掲載内容は、取材当時のものです

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