児童相談所における児童虐待相談対応件数は上昇を続け、2013年には7万3000件を超えました。児童相談所は「社会的養護」に子どもたちをつなぐ役割を担っています。「社会的養護」とは、家族と暮らせない児童を、公的責任で社会的に養育し、保護するとともに、養育に大きな困難を抱える家庭への支援を行うことです。「社会的養護」には大きく分けて「家庭養護」と「施設養護」があります。施設養護の一つである児童養護施設では保護者のない児童、虐待されている児童などを養護し、さらに退所した者に対する相談や援助を行っています。入所児童は虐待が6割、障害を持つ子どもが約2割で、専門的なケアの必要性が増してきています。
授業では、児童養護施設で働いている子ども支援学専攻の卒業生から、仕事の難しさや、大学で学んだ知識や技術が現在どのように役立っているかなどのメッセージを聞きます。また、施設長からのメッセージにあったように、児童養護施設職員には、幅広い社会経験などの「豊かな人間性」と、ソーシャルワーク、ケアワークの知識などの「高度な専門性」が求められます。子ども支援学専攻では、特にソーシャルワークをしっかり身につけてもらうことを目指しています。

pf_suzuki.jpg

鈴木 崇之教授福祉社会デザイン学部 子ども支援学科

  • 専門:子ども家庭福祉

  • 掲載内容は、取材当時のものです