2015年6月30日

人々が関係を持つところでは、お互いの生活を円滑にする「規範」が形成されています。「規範」とはいわばルールで、法律も「規範」のひとつです。
「規範」は、どのように維持されているのでしょう。規範は「守られる」ことが必要ですが、それだけでは維持されず、実は「破られる」ことも必要です。規範を破った違反者を罰することで、規範の存在感、規範を守る意味を示すことができます。つまり、「犯罪は規範がつくり出している」のです。
社会学の始祖のひとりであるエミール・デュルケムは、「犯罪はむしろ社会において必要不可欠である」という犯罪正常説を唱えました。誰かを犯罪者として非難することで、人々に守るべき規範を自覚させるのです。
自分が凶悪犯罪に遭う可能性は低いにも関わらず、私たちは凶悪犯罪に惹きつけられ、加害者に対して怒りを覚え、非難し刑罰を求めます。どうしてそう思うのでしょう。犯罪は本質的に悪だから非難するのか、それとも別の仕組みが働いているのか。このように、「私たちと規範」という視点から犯罪について考える、これが犯罪社会学の基本的なスタンスです。

cf-staff-本田_宏治

氏名 (姓名は半角スペース区切り)
本田 宏治
職名
准教授
学部
/content/dam/toyowebstyle/common/content-fragments/cf-faculty-master/cf-faculty-of-sociology
学科・専攻
/content/dam/toyowebstyle/common/content-fragments/cf-department-master/cf-department-of-sociology
サムネイル写真
/content/dam/toyowebstyle/common/content-fragments/cf-staffs/h/honda-koji/photo-profile-koji-honda.jpg
フリーテキスト (専門、等)

専門:犯罪社会学

※掲載内容は、取材当時のものです

入試イベントや過去問対策、出願登録まで、メンバー限定のお得な特典をゲットしよう!