2013年11月、台風により死者・行方不明者7,361人、被災建物114万棟という甚大な被害を受けたフィリピン。先生はこれまでに4度現地を訪れ、被災者への支援と支援ニーズに関する調査を行いました。その結果、台風来襲後に一度は自宅に帰宅した人が、自宅にいては支援物資がもらえないなどの理由で、再び自宅を離れるケースが多かったことがわかりました。また、長期間にわたり仮設住宅に暮らしている人は、そこにしか居場所がなく、かつ、情報がなかなか入手できない人たちでした。さらに被災者のニーズは物資支援から生活再建支援へ変化していくのに対し、提供される支援は変化が少ないことも判明。支援の提供側に意識の変化が必要であることがわかりました。
被災直後からどのような居住地の変遷を経て現在に至ったのか、どのような支援を受けてどのようなニーズがあったのかなどを、学術的に明らかにすることはとても大切です。その結果が、今後災害が発生したとき、政府やボランティアが支援する際の指標となってくれるのです。

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松丸 亮教授国際学部 国際地域学科

  • 専門:災害マネジメント

  • 掲載内容は、取材当時のものです