社会学部メディアコミュニケーション学科では、各種メディアに関する様々な授業をおこなっています。2年生を対象とする「最先端メディア体感プロジェクト」は、2022年度からスタートした産官学連携による新しい試みです。学生たちは、講義と実習を合わせて、業界の第一線で活躍するプロから実践的に学んでいます。

新聞、テレビ、雑誌の各業界の第一線で活躍するプロから学ぶ

情報通信技術の急速な発展によって、今、社会は大きく変化しています。そうしたなかで、マスメディアが置かれている現状はどうなのか。そして、これからの時代にいかに対応し、変化していくことが求められているのか。社会学部メディアコミュニケーション学科では、2022年度からスタートした産官学連携による「最先端メディア体感プロジェクト」を通じて、学生たちの「未来を創造する力」を育んでいます。

総務省、朝日新聞社、TBS、中央公論新社の協力を得て実現したこのプロジェクトは、7回の講義と8回の実習で構成されました。受講した60人の学生は書類選考と面接によって選抜されました。

プロジェクトの開始にあたり、学生たちはまず、総務省から招いた講師から、通信や放送の政策について講義を受けたのち、朝日新聞社、TBS、中央公論新社の第一線で活躍するプロたちから、マスメディアの仕事や将来について学びました。その後、「記者サロンコース」「テレビ番組制作コース」「ファッション誌制作コース」の3つのコースに分かれて、グループで作品制作に取り組みました。

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「記者サロンコース」が取り組んだのはインターネット討論番組の制作です。朝日新聞社では現在、新聞の発行やインターネットでの記事公開だけではなく、新聞記者が各界のゲストと語り合うオンラインイベント番組「記者サロン」を配信しています。学生たちは、出演者や配信スタッフなどの担当に分かれてSDGsをテーマに番組を制作し、朝日新聞社の記者サロンのサイトから、全国に配信しました。

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「テレビ番組制作コース」では、「あなたの知らない東洋大学」をテーマに、3分程度のドキュメンタリー番組の企画制作に取り組みました。学生たちは4人1組のグループに分かれて企画から取材撮影、編集まですべての工程を体験しました。撮影と編集はスマホのアプリで行い、それぞれの工程において、TBSで実際のテレビ番組の制作に携わっているプロデューサーたちから直接指導を受けました。

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「ファッション誌制作コース」が取り組んだのはオリジナルのファッション誌の制作です。中央公論新社でファッション誌の制作に携わっている編集長やライター、カメラマンなどと一緒に、実際に学生自身がモデルになったり、取材をして原稿を書いたりするなどの体験をしました。

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最先端のメディアに触れ、メディアのあり方を考える機会に

このプロジェクトを通じて、学生たちは、日頃、目にしている新聞やインターネット番組、テレビ番組、雑誌が、どのように作られているのか、またどのような人々が携わって形になっていくのかを、実体験をしながら学び、メディアの現状と今後について考える機会となりました。

体験した学生からは「何かを企画して実行する過程が楽しかった。それを楽しめる自分がいたことに気づけるいい経験となりました」「メディアでは人に見てもらうための努力が大事であり、そのためにどう頑張れば見てもらえるのか、ということを考えることが楽しいと思いました」「実際に自分がモデルを体験することで、どういう撮り方をすると企画の内容との関連性が生まれるか、そのためにどんな表情をすればいいのかを体験から学べました」といった声が上がっています。また、このプロジェクトを通じて体験したことが、今後の自身の学びに生かされ、進路を選ぶうえでの参考になるとも感じている学生も見受けられました。

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プロジェクトを企画した薬師寺克行先生は「学生たちは、今、日本の社会でメディアがどのような位置付けであり、今後どのように変わっていくのかを、肌で感じたことと思います。そして、どのように自分たちはメディアと付き合っていくのかという視点を持つこともできたはずです。最先端のメディアを体感し、自分で作り出していく体験を経て、学生たちの目が、いつになく輝き、面白がって意欲的に学んでいる様子が印象的でした。こうした経験は今後のほかの授業にも、研究にも生きてくるでしょうし、卒業後にも生きてくるのではないかと思います」と話しました。

  • 掲載内容は、取材当時のものです