食環境科学科

生きるを支える、次世代の食をつくる。

科学教育研究室(後藤顕一 教授)

これからの時代に求められる資質・能力を育成するための科学教育、化学教育研究

個人としては、科学教育、化学教育、教育課程(カリキュラム)等を研究している。
その一つとして、「科学の有用性」を実感し科学的能力と科学的態度の育成を目指す学習モデル研究を行っている。これは、今後の社会動向等を見据えた学びの変革を志向し、世界の科学教育を牽引する実効性ある理論モデル、学習モデルと評価モデルを共創、提案することで、「科学の有用性」を実感し得る探究型の学びの実現、実践を通じて学習者の科学的能力と科学的態度の育成を目的とし、科学技術系人材育成や我が国の今後の教育課程に寄与する取組を目指している。具体的には、(1)日常生活や社会の文脈を基盤とする学習内容を重視する方向、(2)科学的能力と科学的態度の形成を志向した学習過程の検証・改善を重視する方向から研究を進めている。我が国の新たな科学教育の方向性や新しい評価の在り方を示すとともに、その考えをアジア諸国と共有して協同的な研究を重ねている。

また、初等、中等教育に係る多くの共同研究を行っている。進行中の研究として、日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(A)「小学校におけるCBTを活用したテストモデルの開発と能力測定の有効性に関する研究」寺本貴啓(研究代表者)、日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(C) 「校種を超えた数学科と理科を総合する教材開発と教師教育の実証的研究」金児正史(研究代表者)、日本学術振興会 科学研究費助成事業 挑戦的研究(萌芽) 「理科授業の国際比較に基づく挑戦的な高校理科カリキュラム開発」土佐幸子(研究代表者)、日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(B)「中等教育化学における資質・能力育成を志向する文脈を基盤としたカリキュラムの開発」寺田光宏(研究代表者)、日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(C) 「中等教育理科における「課題の設定」に着目した学習プログラム及び評価方法の研究」野内頼一(研究代表者)、日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(C)「STEM教育を指向した科学概念育成のための理科教材の開発と実践」伊藤克治(研究代表者)などである。多岐にわたる数多くの科学教育研、化学教育研究に関わっている。

この研究室を希望する方へ

本研究室は、教職志望する学生を対象としている。新学習指導要領では、生徒の探究力の育成が掲げられており、それを教師として指導できる力の育成を目指している。そのために、まずは、それを卒業研究として、本人に体験してもらっている。教職に就いた後にも継続できるような研究テーマを設定して、研究に向き合っている。また、最終目標として、学校教育における教材化を目指して研究を推進している。

研究テーマの一例を挙げる。
「オオカナダモの紅葉化研究」(植物色素懇話会、報告2回、日本理科教育学会)、「植物の光応答に関する高等学校生物実験の検討」(International Student Symposium 2018、審査員特別賞、日本理科教育学会)「反応速度の実験における隔膜ガルバニ電池式酸素センサの導入」(日本理科教育学会、International Student Symposium 2018)、植物根表面の酸素濃度分布と根圏のpHとの関係性、(International Student Symposium 2018、審査員特別賞)など。