経済学科

経済の「いま」と「原理」。

最先端の経済理論と、実社会で起きている経済現象を学びながら、経済政策や関連する制度についての専門知識を身につけます。「理論」「実証」「政策」の3つに重点を置いて学びを深めます。総合的な視点で現代の経済が抱える問題を理解し、解決しうる人財を目指します。

学問の魅力

経済活動の原理を追究し、実際の現象から学ぶ

「経済学」とは、人間の経済活動の原理を探り、その原理を定めようとする学問です。「万物の原理を探り、その原理を定める学問」という井上円了が目指した哲学にも通じると同時に、現代の日本に不可欠な学問です。
「経済学」では、経済や金融の専門的な知識とそれに基づく論理的思考力、そして客観的情報に基づく総合的判断力が必要とされます。理論を学ぶだけではなく実際の現象を検証するため、実践的な要素が強いという特徴があります。それが「経済学」の学びの醍醐味でもあり、学ぶことによって、現代社会における教育の根本を追究していきます。

学び方

ゼミナールで、広く深く学ぶ

経済学科では経済の理論と実証を徹底的に学びますが、その基礎として、1年次のゼミナールでは、大卒者として社会に求められる汎用的能力(ジェネリックスキル、社会人基礎力)と、大学で学問をするために必要な論理的に考え表現する技術(アカデミックスキル)の両方を養います。それらを土台として、2年次・3年次には専門的研究を体系的に深めていき、4年次には、専門的学習の集大成として卒業論文をまとめ上げます。また、経済を理解する上で欠かせない歴史や文化への理解も深め、多種多様な問題意識と総合的な視野を育みます。

4年間の学び

理論と実証を中心に学び経済学の基礎を修得

経済学の基礎の確実な修得を目指して、理論分析と実証分析を中心にカリキュラムを編成しています。また、学生一人ひとりの学びの目標に応えられるよう、他学科の選択科目を多数設置し、学科専門科目以外にも目を向け、興味や関心の幅を広げることを可能にしています。
1年次から4年次までのゼミナールでは、学生各自の個性を尊重し、少人数制で体系的学習環境を整えています。

卒業論文のテーマ例

  • ソーシャル・キャピタルで地域経済は立て直せるか
  • インターネット広告の現状とその社会的影響
  • 人口減少下での中小企業の存続・発展と地域金融機関の役割
  • 日本におけるキャッシュレス化の現状と課題
  • 日本は地方創生によって地域再生できるのか
  • 貯水池の必要性について
  • 非対称情報を踏まえた途上国の成長戦略
  • ミュルダール『福祉国家論』から考える「2025年問題」
  • 日本の母子世帯による「子どもの貧困」について
  • 都市空間の領域と労働者の増加

学びの取り組み

社会と大学で求められる技能の修得

1年次必修の「ゼミナールⅠ」では、社会で求められる汎用的能力、ジェネリックスキル(社会人基礎力)と、大学の学びに必要な学びの技術、アカデミックスキルの両者の土台づくりを目標としています。

PBL (Project Based Learning)

入学直後の春学期の「ゼミナールⅠA」では、社会からの要請で大学において身につけることが期待されているジェネリックスキルの育成を目的として作られたPBL(Project Based Learning)プログラムをメインに実施しています。
このプログラムは、チームビルディングに始まり、イベント企画や多様な問題解決の提案などの様々なプロジェクトを通じて、議論すること・情報収集・情報分析・課題発見の能力を段階的に高めていくと同時に、チーム内の相互フィードバックを通じて承認と自己成長への意欲を高め、主体的にチームで問題解決に当たる能力を高めていくことができるようにデザインされています。

学びの技術

「ゼミナールⅠ」では論理的に考え、それを論理的に表現する(書く・話す・議論する)という、アカデミックスキルの修得も目標としています。
春学期の「ゼミナールⅠA」におけるプロジェクトの報告レポートを通じて論理的に考え、相手に伝わるように書くこと・アカデミック・ライティングの基礎について学び、秋学期の「ゼミナールⅠB」ではディベートを通じて論理的に話して伝えること・議論によって相手を説得することの実践を行います。毎年、「高校までは特に考えもなく何となく書いていた・何となく話していたけれども、こうすれば相手に伝わるように書ける・話せるのか」と目から鱗が落ちるような感覚を覚える学生がたくさんいます。
秋学期の最後にはクラス対抗のディベート大会が行われ、各クラスの代表者が熱い舌戦を繰り広げます。

演習と学生アシスタント(SA)

経済学を学ぶためには、論理的に考える力と数学的なリテラシーは必須ですが、経済学科に入学する人は多様化しており、あらかじめこの2点を満たしている学生だけが経済学を学ぶわけではありません。そこで、講義と演習を組み合わせることで、経済学の基礎科目への理解度を高めることを目指しています。
最近の大学教育では、思考力を育てる能動的学習としてアクティブ・ラーニングが注目されていますが、経済学科の演習は、「講義で得た知識を活用して学生自ら考える」という点で、アクティブ・ラーニングのひとつの形ととらえることができます。
演習の各コースは、教員1人と数人の学生アシスタント(SA)が担当することで、 face to face な教育を実現しています。上級生のSAが下級生を教えることによって、問題演習、学力別クラスとともに、「高いレベルの教育」と「理解度不足な人への十分なサポート」を両立させています。また、演習を担当するSAの成績も相対的に上昇するという効果も見られ、これも演習の持つ教育効果の1つと考えられます。