生命科学科

生命は、謎に満ちている。

脳神経科学研究室(川口英夫 教授)

脳の本質を探るため、ヒトの無意識の行動を解析する『脳と行動の関係』を研究しています。将来は、新しい教育法の開発やメンタルヘルスケアに応用していきます。また、iPS細胞から作った神経細胞などの機能を調べる細胞レベルの研究にも取り組み、再生医療への貢献も目指しています。

共同作業時における行動特性の解析

他者と円滑に付き合う能力を社会能力と呼び、社会生活を送る上で必須の能力です。しかしながら、この社会能力を科学的に取り扱う前提となる『社会能力の定量化』の方法論がほとんどないのが現状です。そこで、行動解析に基づく『社会能力の定量化』を目指した研究を進めています。

具体的には、なわとび・パズル・ゲーム等を用いた共同作業課題を実施し、この時の行動をモーションキャプチャ等で解析することで、『単独時の行動リズム』と『共同作業時の行動リズム』を比較する研究を始め、様々な研究テーマに取り組んでいます。

ヒトの行動特性の計測例(モーションキャプチャを使用)
ヒトの行動特性の計測例(モーションキャプチャを使用)
共同作業時における行動特性の計測例
共同作業時における行動特性の計測例

筆跡の特徴量と精神状況の関係

筆跡には書いたヒトの脳機能、すなわち認知機能や運動機能が反映されています。そこで、『筆跡の時間情報』と書き手の精神状況の関係を調べています。例えば、ある指標を用いると精神的な不調の予兆把握ができることが分かってきました。また、この『筆跡の時間情報を用いた指標』と注意力との関係、さらにはこの指標と摂取栄養素との関係(簡単に言うと『脳と栄養の関係』)の解析にも取り組んでいます。

『筆跡の時間情報』と『ヒトの精神的状況』の関係(デジタルペンを使用)
『筆跡の時間情報』と『ヒトの精神的状況』の関係(デジタルペンを使用)
『筆跡の時間情報』と『ヒトの精神的状況』の関係(デジタルペンを使用)

iPS細胞の分化誘導と分化細胞の機能

共培養系の環境下でiPS細胞から神経細胞や骨格筋細胞を分化誘導する方法の探索、またiPS細胞から分化した神経細胞が形成する神経回路の機能を電気生理学的に調べる細胞レベルの研究などにも取り組んでいます。

iPS細胞から作製した分化神経細胞の電気特性を調べる実験例
iPS細胞から作製した分化神経細胞の電気特性を調べる実験例

この研究室を希望する方へ

脳や神経細胞の謎に挑戦してみたいあなた、一緒に知恵を絞りましょう。個体の行動レベルからのアプローチ、逆に細胞レベルからのアプローチの両面を試みています。電子ペン・光・微小電極等を用いた計測技術が基盤ですが、これはあくまで道具で、目的は『脳・神経系の謎を解き明かす』ことにあります。粘り強く実験を重ね、『悟りにも似た新しい理解』にたどりつく醍醐味を味わって欲しいと思っています。もちろん個々人のできることは限られていますが、『科学技術の進歩に寄与』し、ひいては『社会に貢献する』という志を持って、一歩一歩着実に進みましょう。