健康的なバランスの取れた食事を3食摂取することは非常に大切なことですが、それが難しい状況にある人が多くいます。世界の肥満人口は6億4,100万人といわれ、男性の10人に1人、女性の7人に1人以上が肥満で、平均BMIが30を超える国が、1975年から40年間で急速に増加しています。肥満は、糖尿病や高血圧症、心筋梗塞、脳卒中などさまざまな病気の引き金になると言われていますが、栄養教育・運動指導等の教育的アプローチだけでは、行動変容に限界があります。そこで、予防・改善のためのアプローチ方法を探索し、昼食を日本型のバランスの取れたヘルシーメニューに変える実験をしました。成人男女に3カ月間、日替わりでヘルシーメニューを摂取してもらったところ、腹囲や血圧の数値が下がり、食物摂取状況調査では、エネルギーや脂質については摂取量が減り、食物繊維は増加していました。血液生化学検査でも、コレステロール、脂肪酸などが減り、グルコースやグレリンが増加していたのです。これは、喫食率が高いほど効果が出ており、昼食1食だけでも有効であるとの成果が出ました。この研究が、肥満や生活習慣病罹患者の削減につながる健康づくり対策につながることを今後期待し、さまざまな組織や地域でこうした活動が展開していくことを願っています。

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井上 広子准教授食環境科学部 健康栄養学科

  • 専門:栄養教育、栄養科学、健康科学
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