教職を目指していく学生にとって、授業を通して「先生から評価される」ことはあっても、「自分が他人を評価する」という経験はなかなかありません。先生として授業を行うことは大事ですが、さらに大切なこととして、「生徒の記述を評価する」ということがあります。学習者同士が、自分の評価と他人の評価を相互に経験することで、評価をすることの意味や価値を見出すことができます。その時にどのような視点で考察記述を評価するのか、その「評価規準」には重要な要素がいくつかあります。1つ目は、設問に呼応しているか。キーワードが書けているか、化学式が書けているかなどです。2つ目は、必要な根拠が挙がっているか。3つ目は、内容が正しいか。4つ目は、文章的に正しく書かれているかということです。今まで、みなさんは生徒の立場で授業を受けてきましたが、これから先は、先生の立場に立ち、評価規準に従って、生徒の考察記述を評価に繋げていかなければなりません。将来教壇に立った時には、生徒から出てきた記述をそのまま返すのではなく、丁寧かつ優しい目線で評価していくことが、生徒をさらに伸ばしていくことになるはずです。教職を目指すみなさんは今後、先生の立場で授業を受け、勉強の中に評価を加えていくという視点も重要になってくるのではないでしょうか。

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後藤 顕一教授食環境科学部 食環境科学科

  • 専門:教育学
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