農村開発とは、農村住民の経済環境や社会環境を改善し、向上することです。住民参加型プロジェクトで期待されるメリットには、住民の持つ知識をプロジェクトに組み込めること、住民のニーズに合った目的設定やより良い成果が期待できること、自分たちのプロジェクトだというコミュニティの意識の向上といったことが挙げられます。これらが合わさることで、特定の開発プロジェクトの効率性、有効性、持続性が向上し、また、参加する住民のエンパワーメントを高める効果も期待できるものです。しかし、その土地の特徴や地域性などを踏まえ、住民の真のニーズに応えているか、対象とする住民は適切にターゲティングされているか、プログラム内容が地域社会のコンテキストに適合しているかなどを十分に検討する必要があります。1995年からミャンマーで展開された住民参加型開発プロジェクトでは、資源管理プログラムの目的や意図は適切であったにもかかわらず、プログラムのデザインや実施過程に問題がありました。実施にあたっては、どのように地域社会に働きかけていくのかという視点が重要なのです。

pf-okamoto.jpg

岡本 郁子教授国際学部 国際地域学科

  • 専門:農業・農村開発、地域研究(ミャンマー)
  • 掲載内容は、取材当時のものです