知的障害のある子どもへの教育を「特別支援教育」と言います。これは、戦後始まった「特殊教育」を、より充実させるために、2007年よりスタートしたシステムです。特別支援教育の場は、特別支援学校や特別支援学級、通級による指導、通常の学級などで、国語や算数といった各教科をはじめ、自立活動、特別活動などの領域などを指導しています。日本で最初の知的障害者施設は、1891(明治24)年に創設され、戦前までに全国10か所設置されました。知的障害のある子どもの教育をこれから始めようという時代に、川田貞治郎はまず、茨城県に日本心育園をつくり、子どもの様子を24時間観察しました。何が必要かはわかってきましたが、教育方法を作るには、どうしたらよいかを学ぶため、彼は、すでに障害児教育が始まっていたアメリカへ留学し、帰国後、日本の文化や子どもにとって適した方法を選択しながら、1919(大正8)年、藤倉学園を創設したのです。現在の特別支援教育では、障害のある子もない子も一緒に同じ場で共に学ぼうという、インクルーシブ教育システムが国際的な水準となっており、日本も取り組みはじめています。大学で身につけたさまざまな学びから、情報を取捨選択する力と、日本の特別支援教育を世界に発信する力を発揮していってください。

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高野 聡子准教授文学部 教育学科

  • 専門:特別支援教育
  • 掲載内容は、取材当時のものです