日本政府は、2020年開催の東京オリンピック・パラリンピックを契機に、前後10年間で、スポーツビジネスを今の5兆円規模から15兆円規模へと拡大しようとしています。大きな期待がかかる日本のスポーツビジネスですが、そうした中での法律の役割、特に契約の重要性について考えてみましょう。
例えば、戦力均衡が醍醐味のプロスポーツの契約の諸条件は、金額や契約期間以外、全チームが同じ内容を用います。また、選手個人に代わってチームと交渉をする選手代理人や、CM出演など個人の肖像権がビジネスになる場合に契約を行う選手マネジメントから、スポンサー契約、球団やクラブのロゴを入れて商品化したグッズ販売によるライセンスビジネスまで、得た利益を分配するなどの契約が必要となります。このように、スポーツのビジネス化には多額の金銭が動き、権利関係も複雑化します。また、契約は一度成立すると、権利と義務に拘束され、義務を果たさなければ、損害賠償を請求される場合もあります。こうした問題を解決する第一歩が契約であり、法律の知識が必要なのです。ただし、契約の内容は双方の合意があれば成立するため、必ずしも一様ではありません。そのため、知識だけでなく、法律に対する感覚が求められます。みなさんには法律や契約について興味を持ち、感覚を磨き、今後さらに需要が高まるスポーツビジネスの道へと進んでいってもらいたいと思います。

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谷塚 哲助教法学部 企業法学科

  • 専門:スポーツ法
  • 掲載内容は、取材当時のものです