よい設計とは、性能がよい、軽くてコンパクト、環境負荷が小さい、丈夫で長持ちといった条件を満たすもので、それら全てを満足するためには、部品材料の強さを知る必要があります。その手段として、機械設計におけるCAEがあります。CAEとは作業(工学)を能率化するため、計算機シミュレーションを利用することです。CAEを使うと、手計算よりも力学計算を早く行うことができます。また、カラーコンター図などのビジュアルな表示により、手計算(数字)では見えにくい全体傾向を把握でき、実験では計測が難しい細かい部分や長時間の現象も推定できます。
固体の変形シミュレーションは部品の強度や耐久性を評価する目的で行われますが、その手段としては有限要素法(FEM)が最もよく使われます。近年、世界各国でCAE(FEM)ソフトのフリーソフトが開発され、使われ始めています。授業ではオープンCAEを使った簡単な形状作成、三角形の集合にするメッシュ分割、解析結果の表示といったデモが行われました。このような変形のシミュレーションを行うことが、機械の設計に役立てられるのです。

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藤岡 照高教授理工学部 機械工学科 構造力学研究室

  • 専門:材料力学、材料強度、有限要素法

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