教育心理学は、教育に関わる心理的現象について、データに基づき科学的に研究する学問です。データという根拠なくして研究結果はありえず、最近はデータ収集方法としてフィールド研究が盛んになってきています。
授業では谷口教授自身が行った院内学級におけるフィールド研究を紹介。入院中の児童、生徒のための教育を行う院内学級に通って集めた223個のエピソードを分析した結果、院内学級の教育実践は入院時のサポートネットワークの構築という側面を持っているという結論を導きます。
フィールドで資料を収集し、それをボトムアップ式に統合し、現場ならではの知見にまとめあげる。そのようなフィールド研究によって現場発の理論を作り上げることが大切であり、その理論は教育を豊かにする力を持っているのです。
探求の出発点は小さな問題意識です。日常で感じる素朴な「なぜ?」を通り過ぎず、丁寧かつ詳細に現実を見直すようにしてみましょう。それが、みなさん各自のテーマを発見し、理解を深めることにつながっていくはずです。

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谷口 明子教授文学部 教育学科 人間発達専攻

  • 専門:教育心理学・発達心理学・心理学研究法・特別支援教育(病弱)

  • 掲載内容は、取材当時のものです