ストレスとは、何らかの刺激によって生体に歪みが生じている状態をいい、細胞も人間と同じようにストレスによる悪影響を受けています。
ストレスの原因はストレッサーと呼ばれます。細胞のストレッサーには物理的、化学的、栄養飢餓、感染といったものがあり、これらによって細胞機能を妨げる活性酸素種、いわゆる酸化ストレスが増加します。細胞は、最初はストレスに対して適応しようとするのですが、ストレスが大きくなると適応できず細胞死、または異常繁殖します。
ところが細胞死する細胞は、死ぬ間際に周囲に細胞因子を放出し、それによってほかの細胞を保護してあげるという働きをします。実は、強い酸化ストレスは細胞死を招きますが、弱い酸化ストレスはかえって細胞死を抑制する効果があるのです。つまり適度なストレスが存在した方が、細胞にとってはいい状態であり、ストレスに強い細胞になっていくというわけです。
「適度なストレスがあった方がストレスに強くなる」。この細胞のストレス対応から、人間も学べるものがあるのではないでしょうか。

profile_0003_nedati.jpg

根建 拓教授生命科学部 応用生物科学科 動物細胞工学研究室

  • 専門:細胞工学、細胞生物学、内分泌学

  • 掲載内容は、取材当時のものです