社会学部メディアコミュニケーション学科は、2018年度より朝日新聞社と読売新聞社と連携した全国初の教育プログラム「新聞活用プロジェクト」をスタートしました。このプロジェクトは、同学科1年生全員と2年生の約半数の学生の自宅に1年間、朝日新聞または読売新聞を配達し、教材として授業で活用し、専門教育を深めることを目的としています。新聞を読むだけでなく、両社の現役の記者や販売、広告など各部門の社員らがゲスト講師を務める講義をはじめ、新聞を実際に使って学生自らが再編集するグループワーク、新聞社での職場体験(インターンシップ)なども行われ、さまざまなイベントを通じてニュースに接し、自分の力で物事を考える力を養っていきます。

新聞を読むことを習慣化し多角的な視点で物事を分析する力を養う

学生の新聞離れ、活字離れが指摘されていますが、卒業後、社会でたくましく生きていくためには、情報を集めて理解し、活用する力が不可欠です。メディア研究を主とするメディアコミュニケーション学科が2018年度より開始した「新聞活用プロジェクト」は、学生が自ら積極的に情報に接することで、主体的に情報を取捨選択し、自らの思考につなげるメディアリテラシーを身につけ、教養力を養うことを目指しています。

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1、2年生の自宅に1年間、朝日新聞または読売新聞が配達されます(半年間で配達される新聞は切り替わります)。学生にとって、この配達される新聞は「教材」です。新聞を読み、ニュースに触れることを習慣化することから学びは始まります。そして、朝日新聞と読売新聞という日本の二大新聞のさまざまな分野の記事や社説を比較しながら継続的に読むことで、記事で伝えられる情報を多角的な視点で見つめ、理解し、分析する力を養っていきます。

専門教育を深め、キャリア教育にもつなげる

このプロジェクトは、競合関係にある朝日新聞社と読売新聞社がタッグを組んで、大学教育を支援するという全国でも初めての試みです。新聞の購読料は全て、大学が補助しています。「メディアコミュニケーション学基礎演習」(1年生対象)、「メディアコミュニケーション学演習」(2年生対象)などの必修授業が対象で、授業は学生が新聞を毎日、読んでいることを前提に進められます。
ほとんどの学生に新聞を読む習慣がないことから、2018年4月末に行われた合同授業では、新聞社からのゲスト講師が、新聞の紙面構成や新聞ができるまでの工程を解説してくれました。さらに学生が5,6人グループに分かれ、その日の新聞から自分たちが興味を持った記事を切り抜いて方眼紙に貼り付け、新聞を再編集する「まわし読み新聞」というグループワークに取り組みました。

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このような必修授業での新聞を活用した授業のほかにも、両新聞社から現役の記者や編集委員、編集局以外の部門の社員らをゲストに招き、授業や講演会を開催しました。夏休み中には、両新聞社を学生が訪れ、職場体験(インターンシップ)にも取り組んだりしました。写真は学生が模擬記者会見の模様を撮影している光景です。

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メディアコミュニケーション学科の薬師寺克行教授は、「このプロジェクトを通じて、学科では新聞に限らず幅広いメディアに関する専門教育を深めることができました。学生にとっては、職場体験などを通じて新聞社に限らず企業というものを体感でき、卒業後に働くということの意味を考えるキャリア教育の場にもなっています。また、本学科が推奨する「ニュース検定」の受験者数増加と合格率の向上にもつながっています」とも話しました。

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