2020年東京オリンピック・パラリンピックでは、「共生社会の実現」がレガシー(終了した後も長期にわたって残る良い影響)として挙げられています。1964年の東京大会では、新幹線や首都高速道路といった交通網の整備、国立競技場や日本武道館といった施設などの建設、海外のパラリンピック選手の生活スタイルに影響を受けた障害者の生活の変化というものが挙げられます。2020年東京大会のレガシーに向けた、特に移動のアクセシビリティについては、次の3つの取り組みが挙げられます。アクセシビリティとは、年齢や障害の有無などに関係なく、誰もが必要とする場所やサービス、情報などに簡単にたどり着け、利用することができることを意味します。1つ目は、公共交通網の整備です。全ての駅から必ずプラットフォームまでアクセスすることができるようなルートを確保するという取り組みがなされています。2つ目は、情報提供です。これは各事業者で異なる表示サインを統一し、初めて東京に来る人でも分かりやすいようにする取り組みです。3つ目は、心のバリアフリーです。その取り組みとして、高齢者や障害者へのサポートについての訓練が取り入れられました。このように、高齢者や障害者の人権の尊重、多くの人の意見に基づいた、量的質的な分析に基づいた根拠のあるユニバーサルデザイン、認知症や自閉症、発達障害などについて知る、ということが重要でしょう。そして、こうした取り組みが、オリンピックの一過性で終わらず、続いていくことに意味があるのではないでしょうか。

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高橋 良至教授ライフデザイン学部 人間環境デザイン学科

  • 専門:メカトロニクス、支援技術
  • 掲載内容は、取材当時のものです