上手な人間関係を築くためのコツや知識を「ソーシャルスキル」と言います。学校では今、ソーシャルスキルを積極的に子供たちに身につけさせることによって、問題が起きるのを予防しようという活動が盛んです。子供たちは、自分の経験から、遊びに入れてもらえるよう声をかけたらうまくいった、他の子がうまくいっているのを真似る、先生や親に教わる、などでソーシャルスキルを身につけます。ソーシャルスキルには、持っていないと不適応状態(遊びに入れてもらえない、トラブルになるなどといった)に陥る可能性があるだけでなく、生まれながらに持っているものではなく、あとから身につける、学習性のものだという性質があります。
では、教師にとって、ソーシャルスキルの知識の必要性はどのようなものでしょう。問題を起こしている子供を援助するため、明るいあいさつや上手な意思表示の仕方、嫌なことをうまく断る方法などといったソーシャルスキル・トレーニングをする必要があります。また、問題の予防や、よりよい学級・学校を作るため、児童・生徒の集団に、お互いの話をじっくり聴きあえる学級、お互いを大切にしながら意見を言いあえる学級、お互いを認めあえる学級といったことを一斉に学ばせるソーシャルスキル教育をする必要もあります。そして、教師自身が、児童・生徒、保護者、ほかの教師などと、よりよい人間関係を築き、情報のやり取りや問題の早期発見などにもつながるといった利点につながります。ソーシャルスキルについての学びを、教育学科でぜひ深めていただきたいものです。

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篠崎 信之教授文学部 教育学科

  • 専門:教育相談、臨床心理学
  • 掲載内容は、取材当時のものです