人類が誕生してから1960年代まで、人は燃焼光源と呼ばれる火、油灯、ろうそく、ガス灯などの照明を使ってきました。19世紀初頭から現代までは電気光源の時代で、炭素アーク灯、白熱電球、蛍光ランプが使われてきました。そして20世紀末には、次世代光源として「LED」と「有機EL」が誕生しました。相対効率で考えると蛍光ランプが一番省エネなのですが、水銀を使っているので環境汚染の原因となっており、地球に優しくありません。一方、LEDや有機ELは環境汚染のない、地球に優しい光源なので、多くの研究が行われています。先生の研究室でも、人に優しい照明をつくるため、LED照明と有機EL照明による視覚改善を実験しました。視力は5~11%上がり、近点距離(焦点の合う最短距離)は3~13%短縮、視覚が向上することが分かりました。
これからのエンジニアには、人にも地球環境にも優しい技術開発が求められます。技術は実験検証により確立できます。みなさんも実験による真理の追究、そして発見へと挑戦していってください。

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佐野 勇司教授理工学部 電気電子情報工学科

  • 専門:電子回路工学、色彩工学、電子ディスプレイと照明・音響機器などを高性能化する電子回路と集積回路に関する研究

  • 掲載内容は、取材当時のものです