これからの社会に対応する力を身に付ける学習では、教師は経験と勘だけに頼るのではなく、科学性を持つ必要があります。その1つがISM教材構造化法による教材分析とカリキュラム構成です。
ISM教材構造化法とは、教材から学習要素を抽出し、それらの関連性をコンピュータによって見やすい構造チャートにすることで、要素間の関係を分かりやすくする方法です。このチャートは、教師ならば授業設計や教材作成に利用することができますし、学習者なら知識の整理に役立ちます。また、コンピュータは正解を与えてくれるものではありませんが、思考支援のツールとして利用できます。ただし、たとえば「タブレットが手に入ったからこれを生かした授業をする」では本末転倒です。目的達成のためにタブレットを入手する、というのが正しい順序です。
教師を目指す学生には、こうした、新たな学びのための科学的なスキルや、新たな授業に対する評価のスキルを身に付け、ICTをうまく活用してほしいと思います。

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長谷川 勝久教授文学部 教育学科

  • 専門:教育工学、数学教育学

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