グローバル化が進み、ヒト・モノ・カネの流動性が高まるなか、新たな価値を創造することができ、国際社会で活躍できる人材の育成がこれまで以上に求められるようになりました。“アジアのハブ大学”となるべく、国際化を推進しています。時代や環境の変化に流されることなく、地球規模の視点から物事をとらえ、自分の未来を切り拓くことのできる「グローバル人財」を育成するため、東洋大学ではさまざまな取り組みを行っています。

学内のグローバル化も進んでいる

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国境を越えて、ヒトやモノ、カネが動く時代となり、私たちには、自分が生まれ育った環境とは異なる文化背景を持ち、異なる言語を使う人々と協働する力が求められています。世界のどこにいてもたくましく生きていく力を持った人が必要とされているのです。これからの時代は、世界へ出て行くことだけがグローバルということではありません。どのような職業に就こうとも、国内にいながらも、異なる文化背景を持つ人々と理解し合い、学んだり働いたりする機会が増えていきます。だからこそ、地球規模の視野を持ち、物事を深く掘り下げて考えることが大切なのです。
東洋大学でも現在、グローバル化を進めており、海外へ留学する学生数も海外から留学してくる学生数も年々増え続けています。最近では、在学中に留学したいという意志を持って入学してくる学生も多くいます。以前と比べて学内の雰囲気が変わってきているのを肌で感じます。

留学希望者を支援するさまざまな制度

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東洋大学は現在、世界37カ国182大学4コンソーシアム(2019年3月現在)と海外大学間交流協定を結んでいます。地域としてはアジア、ヨーロッパ、北米、オセアニアなどで、英語圏に限らず、ドイツ語圏、フランス語圏、イタリア語圏、中国語圏、韓国語圏、タイ語圏、スペイン語圏など、学生の希望に応じた言語圏への留学を実現することができます。そして、長期の交換留学や認定留学をはじめ、短期の語学セミナー、海外インターンシップ・ボランティアや中期の協定校語学留学など、幅広い留学プログラムを用意しています。
留学を希望する学生を対象とした語学力向上のプログラムも充実しています。なかでも、LEAP(リープ:Learning English for Academic Purposes)は、全学部生を対象とし、留学に必要な英語力やスキルを習得するためのプログラムです。多くの学生がこのプログラムを受講し、英語力を高めています。また、楽しみながら自然に英語を学べるToyo Achieve Englishは、キャンパス内で授業の空き時間を使って、フィリピン人講師からレッスンを受けることができる少人数制の英会話講座です。さらに今年度からは、留学希望者向けに、留学カウンセラーによる留学相談を毎日行っています。
留学支援の一環として、奨学金制度も整えています。交換留学や認定留学、協定校語学留学に行く学生の経済的な負担を軽減する奨学金制度に加え、2013年度には、グローバル社会で活躍できる人財を育成するために「海外留学促進奨学金」を創設しました。これは、留学プログラムや語学レベルに応じた給付型の奨学金で、他大学にはない奨学金制度です。昨年は400名近い学生がこの奨学金を受給し、海外留学を実現しました。

東洋大学生のために実施する留学フェア

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また、白山キャンパスでは毎年、春と秋の2回、留学フェアを実施し、留学プログラムの紹介や留学情報、奨学金情報の提供を行っています。大使館や留学斡旋機関が開催している留学フェアと異なり、東洋大学の学生のために実施するものです。さまざまな留学プログラムや学内で行われている異文化体験プログラム、語学プログラムなどを紹介するほか、実際に留学した先輩の体験談を聞いたり、海外からの交換留学生から現地の話を聞いたりすることもできます。留学した先輩たちが、現地でどのような壁にぶつかり、どのように乗り越えてきたのか、英語はどの程度通じたのかなど、実体験に基づく話を聞くことは、何よりも大きなメリットと言えるでしょう。
このような留学フェア以外にも、各キャンパスに職員が出向いて留学ガイダンスも実施しており、留学を希望する学生に向けた情報提供の場を用意しています。

「自分の哲学を持つ」ことにつながる留学

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留学を通じてみなさんは、自分が生まれ育った環境とは異なる環境に身を置き、それまで当たり前だと思っていたことが決して当たり前ではないことを知り、多様な物の見方・考え方ができるようになるでしょう。そして、自分が生きてきた日本という社会は、世界に数ある国の中の1つにすぎないということに気がつくでしょう。留学という経験を通じて視野が広がり、自分を相対化することは、これからみなさんが生きていくうえで大切なことであり、自分の生き方を根本から見つめ直す経験になるはずです。それこそが、東洋大学の創設者である井上円了が大切にしてきた、物事を根本まで深く掘り下げて考えること、つまり、「自分の哲学を持つ」ということにつながっていくのです。

  • 掲載内容は、取材当時のものです