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【著作紹介】ASEAN経済共同体の成立 ―比較地域統合の可能性

ASEAN経済共同体の成立 ―比較地域統合の可能性

著者:市川 顕(国際学部グローバル・イノベーション学科 准教授) 【編著】
出版社:中央経済社
出版年:2017年3月発行
価格:4,000円+税
ISBN:9784502222016
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内容:
2015年12月に発足したASEAN経済共同体について、地域統合論および地域統合政策論の視点からEUと比較することで、その性格や特徴を解明する研究書。

中央経済社の紹介ページ

 

教員メッセージ

この本は、2015年12月に発足したASEAN経済共同体の成立とその実態を解明するために、おもにEU(欧州連合)との比較を用いて、政治学、国際法学、経済学、社会学などのマルチ・ディシプリナリーな視点から分析を行っている。
ASEAN10ヵ国はEU28ヵ国にも増して、歴史・人種・社会制度・経済制度・政治制度などに多様性を持つ。このような多様な国々がいかにして経済共同体をつくる(ってきた)のか。
このような問題に関心のある大学生には、ぜひ手に取って読んでもらいたい一冊である。

目次

序章 ASEAN経済共同体の成立と比較地域統合の可能性
1 ASEAN経済共同体のいま
2 ASEAN経済共同体の成立過程
3 ASEAN経済共同体の評価
4 比較地域統合の可能性
5 本書の構成

第Ⅰ部 比較地域統合論
第1章 EUとASEANにおける地域経済統合の比較分析
1 はじめに
2 経済統合理論の概観
3 EU−制度に基づく統合モデル
4 ASEAN−ネットワークに基づく統合モデル
5 EUおよびASEANにおける統合の比較分析
6 おわりに−EU統合プロセスからの教訓

第2章 比較の中のASEAN
1 はじめに
2 ASEANの半世紀−素描
3 ASEAN・EUの比較分析−制度化の程度が低いことは非効率的なのか
4 ASEANはEUをどのように見てきたか
5 おわりに

第3章 国際機構論からみたEUとASEANの比較
1 はじめに
2 EUとASEAN−設立の背景及び基本文書の比較
3 内部機関・決定の効力に関する比較
4 おわりに

第4章 EUとASEAN
1 はじめに
2 地域主義と地域化
3 EUは地域統合における先進モデルか
4 比較地域統合−欧州と東アジア
5 おわりに−求められる日本の役割

第Ⅱ部 比較地域統合政策論
第5章 ASEANにおける地域開発政策
1 はじめに
2 産業立地条件
3 地域開発政策
4 おわりに

第6章 EUの地域開発政策およびASEANとの比較
1 はじめに−EUとASEANの地域開発政策
2 EUの地域開発政策
3 おわりに

第7章 EUとASEANの競争政策
1 はじめに
2 競争の役割,競争法の必要性
3 EUの競争政策
4 ASEANの競争政策
5 おわりに

第8章 ASEANにおける空港運営の特徴
1 はじめに
2 ASEAN地域の旅客需要増大
3 ASEAN諸国の空港運営
4 EUとASEANの対比からの示唆
5 おわりに

 

教員メッセージ

EUというのは、非常に複雑な地域統合体で、国家でもなく、単なる国際機関でもない「一種独特な存在」です。
このEUという理解が困難な地域統合体を、できるだけ分かり易く読者に理解してもらおうとつくられたのが本書です。
本書では、EU統合の歴史と理論、EUの政策決定、EUの政策領域、EU加盟国および近隣諸国、世界の中のEU、と包括的にチャプターがわかれています。
また、知りたい部分だけを読めるよう、1トピックにつき、見開き(2p)で書かれているのも大きな特徴です。
EUの専門家がこれだけよみやすくEUの教科書をつくったことはこれまでなかったと思いますので、関心のある学生さんは手に取ってみて下さい。

[著者] 市川 顕(イチカワ アキラ)

市川顕先生

21世紀は環境の世紀といわれます。そして、持続可能な社会の構築は、現在の政治・経済・社会体制にとって大きな挑戦となっています。
そこで求められていることは、
(1)世代を超えた公平の達成
(2)自然環境をコストとして内部化した市場経済の達成
(3)自然に権利を与える法体系の達成
(4)グローバルから個人にいたるまでの多層にわたる環境改善への挑戦
(5)国際機関、国家から個人にいたるまでの多様なアクターの協働の達成
(6)他部門政策における環境配慮の統合の達成
でしょう。
私の研究活動においては、多層・多様なアクターによる持続可能な社会の構築に向けた環境ガバナンスを鍵概念として、アクター間、多層間、学問分野間のコミュニケーションの態様を示し、持続可能な社会に向けた取り組みを把握することを目標としています。

関連リンク

東洋大学研究者情報データベース(市川顕 教授)
グローバル・イノベーション学科 市川顕 准教授のコメントがフィナンシャル・タイムズに掲載されました
GIC Discussion Paper