【最新刊】公民連携白書2020-2021

アフターコロナとPPP

 

東洋大学PPP研究センター 編著

 
 

本書は、2006年度に、東洋大学にPPP(Public/Private Partnership)専門の社会人大学院公民連携専攻を開設して以来、全国の関係者に多くの事例や論考を提供することで、政府と市場のあり方の国民的議論の一助とすることを目的として毎年発行しており、今回が15回目の発行となる。
 

連続して発行することは決して容易なことではないが、15回目を迎えることができたのは、PPPの推進のためにご後援いただいている機関、ならびに、本書を楽しみにしてくださっているすべての読者、また、企画段階から尽力いただいている時事通信出版局の永田一周氏の支援のおかげであることは言うまでもない。この場を借りてあらためてお礼申し上げたい。

今回は、第Ⅰ部の特集テーマを「アフターコロナとPPP」とした。周知の通り、新型コロナ感染症の拡大は、広い範囲にわたって大きな被害と深刻な影響を与えている。PPPにおいても例外ではない。すでに運営済みのPPPプロジェクトが利用者の減少や費用の増加に見舞われ顕在化したリスクを官民いずれが負担するのかというミクロ的な論点から、感染拡大防止や経済へのマイナスの影響の補償や積極的な経済再生において官民はどのように役割分担するのか、あるいは日本において成功したと言われている「自粛」はPPPの文脈ではどう位置付けられるかというマクロ的な論点まで、さまざまな論点が提起された。まず、根本祐二「新型コロナ感染症が提起した官民市民の役割分担」では、PPPの主体間の関係を分析する手法であるPPPのトライアングルを用いて政府、市場、地域の各セクターおよび各セクター間のPPP契約の役割の変化および今後の変化の可能性について俯瞰的に論じた。次いで、難波悠「コロナ対応に見る不可抗力に対する考え方」では、パンデミックを不可抗力と捉えるかどうかについて、日本、英国、フランスの法制度的な位置づけや政策対応の違いを分析した。その後には、国内外のPPP有識者19名から寄せられた「アフターコロナとPPP」のコメントを掲載した。これは、2020年12月にYouTube公開した第15回国際PPPフォーラムのスピーチビデオを再編集したものである。

第Ⅱ部は、「PPPの動き」である。まず、序章として、2020年2月の内閣府PPP/PFI推進委員会の提言をもとに、根本祐二が「PPP推進上の課題と施策の方向性」を執筆した。第1章以降は、公共サービス型、公共資産活用型、規制・誘導型のPPPの3分類に沿って整理した後、PPPを取り巻く環境とPPPの各分野での動きを整理している。紹介している事例は、例年通り、時事通信社iJAMPからの情報を元に取り上げた。対象期間は、2019年10月~2020年9月を対象としている。事例数は、1040件に上り類書の中では圧倒的に多数の事例を紹介している。

是非多くの方々に本書をご一読いただき、参考としていただければ幸いである。

 

2020年11月

「公民連携白書」執筆者の代表として根本祐二(東洋大学)