2025年8月21日(木)~22日(金)に、東京ビッグサイト 西4ホールで開催された「大学見本市2025~イノベーション・ジャパン」に、東洋大学から大澤 重仁 准教授(生命科学部生体医工学科)が出展しました。
大学見本市概要
◆会期:2025年8月21日(木)~8月22日(金) 2日間
◆場所:東京ビッグサイト 西4ホール
「大学見本市~イノベーション・ジャパン」は、全国の大学や公的研究機関等から創出された研究成果の社会還元、技術移転を促進すること、及び、実用化に向けた産学連携等のマッチング支援を実施することを目的とし、2004年から知財活用支援事業として国立研究開発法人科学技術振興機構(JST)が開催しています。
2025年度は全国の大学等から291ブースが出展し、2日間で14,208名が来場しました。
出展概要
出展テーマ:
「貴金属マテリアルリサイクル・リパーパシングを促進する高分子」
技術概要:
配位子としてピリジン環を二つ、水溶性成分としてカルボン酸を一つモノマーユニットにもつポリマーを合成しました。このポリマーは水溶性で、青色を示し、またpH6~8の領域で緩衝能を示しました。金属元素と効率的に配位し、例えば銅イオンを配位させると、銅の触媒反応の速さが0倍~2倍まで制御できることがわかっており、また酸性条件にすると、銅イオンとポリマーを析出させることができます。銀イオンを配位させた場合は、還元剤を使用せず、自発的に銀ナノ粒子が形成されることを見出しました。
想定される活用事例:
貴金属を含む製品が廃棄されるときにいかに貴金属を効率的に抽出、再利用するかは重要です。本高分子は、貴金属を含む産業廃液などからの貴金属イオンの析出と回収を効率化すると期待されます。さらにはこれら廃液に混ぜるだけで、化学反応触媒や、医療・エレクトロニクス分野でも有用な貴金属ナノ粒子が得られる可能性があります。他にも、水中で1分子中に金属錯体を集積した新規触媒開発にも活用可能と考えられます。
研究者:
関連リンク
産官学連携推進センター https://www.toyo.ac.jp/research/industry-government/ciit/