2025年8月28日(木)に、JST東京本部別館で開催された「情報・医療・環境 新技術説明会」において、東洋大学から大澤 重仁 准教授(生命科学部生体医工学科)が登壇し、技術紹介しました。
説明会概要
◆会期:2025年8月28日(木)
◆場所:JST東京本部別館
「新技術説明会」は、大学、高等専門学校、国立研究開発法人等の公的研究機関から生まれた研究成果(特許)の実用化(技術移転)を目的に、新技術や産学連携に関心のある企業関係者に向けて、研究者(=発明者)自らが直接プレゼンする特許の説明会です。
今年度は、東洋大学、上智大学、中央大学、中京大学の4大学で合同開催し、東洋大学からは生命科学部 生体医工学科の大澤 重仁 准教授が技術紹介を行いました。
発表概要
タイトル:
「水系での金属触媒開発や金属イオン回収を促す高分子」
技術概要:
ポリマレイン酸無水物誘導体にジピコリルアミンを反応させ、1モノマー中にカルボン酸を1つ、ピリジン環を2つ持つ高分子を設計した。これは水に50 mg/mLの濃度まで溶解可能、pH6~8に緩衝能を持つ。ピリジン環に各種金属イオンが配位可能で、水溶液中の高分子上に金属イオンの局所濃縮環境を構築して、触媒機能も向上する。
従来技術・競合技術との比較:
金属イオンに強く結合して触媒活性を変化させる複素環構造は有用な配位子である。しかしながら嵩高いため、多数導入した高分子では水への溶解性が低くなる。本技術の高分子は、この水溶性の問題を解決している。また低分子触媒と異なり、水溶液全体として低濃度でも高分子上では触媒が濃縮された状態で触媒反応が進む。
新技術の特徴:
- 錯体形成で銅1分子あたりの触媒活性を2倍に向上
- 還元剤を用いない自己還元による貴金属ナノ粒子の形成
- 酸性溶液とすることで沈殿回収可能
想定される用途:
- 水中で使う化学触媒や薬剤開発
- 水溶液中の金属イオンの回収
- 無機化合物の水溶液中への分散剤
研究者:
関連リンク
情報・医療・環境 新技術説明会 https://shingi.jst.go.jp/list/list_2025/2025_toyo-sophia-chuo.html
産官学連携推進センター https://www.toyo.ac.jp/research/industry-government/ciit/