2024年11月5日から6日にかけ、東洋大学次世代研究者挑戦的研究プログラム「健康と人間の安全保障のための哲学を持つ多様な挑戦的研究者育成プロジェクト」(事業統括:北脇教授)の育成コンテンツの一環で東北大学青葉山新キャンパスを訪問し、同大学の大学院生とワークショップを実施しました。東洋大学からはSPRINGスカラシップ研究学生7名が参加しました。
1日目は、山田 哲也 先生(東北大学 産学連携機構 イノベーション戦略推進センター 学術研究員)のご教授のもと東北大学の大学院生とSFプロトタイピングを用い、未来社会健康デザイン拠点を考えるワークショップを行いました。イントロダクションではSFプロトタイピングについて、Science Fiction作品を作る際の想像力を活用し、未来に起こり得るアイデアを自由に出し、そのアイデアを実現するための道筋を記述する手法であるという説明がありました。
SFプロトタイピングを通して、本ワークショップのテーマである「健康な未来とは何か」を、健康に関わる原体験やこれからの医療に求めることをグループメンバーと共有しながら、参加者それぞれが「健康な未来のシナリオ」を作成しました。
学生は自身の研究分野とは異なる問題解決へのアプローチ方法を学び、新しい視点での活発なディスカッションが行われました。
今の研究をどのように将来に活かすかという考えではなく、理想の未来像から逆算し道筋をたてるという切り口でのワークショップは、参加学生にとって今後の研究を進めるうえでも刺激となりました。
1日目終了後は、東北大学の大学院生や先生方との懇親会が開催され、普段の研究の様子や将来の目標・展望など意見交換する姿が見られました。
2日目は、午前中に永富 良一 先生(東北大学 産学連携機構 イノベーション戦略推進センター 特任教授)の案内で東北大学青葉山新キャンパスの見学を行いました。2024年度から運用を開始したNanoTerasu(ナノテラス)や、東北大学災害科学国際研究所、せんだい環境学習館たまきさんサロンといった学内各施設等を訪問しました。
このうちNanoTerasuは、様々なものがナノレベルで可視化できる新しい施設であるため、例えば味覚と食べ物の内部構造の相関関係を調べ、おいしさの見える化も可能であるとの説明がありました。
午後のワークショップでは永富先生のご教授のもとNanoTerasuを利用し、何を見たいか、何が分かるのか、そしてどのように社会に役立つかといった社会実装の観点で、参加学生間でディスカッションしました。ディスカッションの中で、自身の研究分野の視点だけでなく、社会全体への影響といったマクロの視点も持つなどといった社会実装するために必要なポイントや研究に対する姿勢を醸成しました。
参加学生からは、「分野の異なる人とNanoTerasuを使った研究立案の議論を通じて、多面的な観点から研究を考えることで、研究内容がブラッシュアップされることを改めて感じました。今後、自身の研究室、研究分野以外の研究者と積極的に交流していきたいと思います。」「頭を柔らかくして、物事を小さいところから大きいところまで、いろいろな観点から見ることの重要性を改めて感じる機会となりました。」などの感想が寄せられました。
学生間で、自身の研究分野以外についても意見交換を行う良い機会になると同時に、先進的研究を行う東北大学の一端に触れ、同大学の学生とも交流をできる良い機会となりました。