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公民連携白書2018-2019

白書2018-2019公有地活用とPPP

東洋大学PPP研究センター 編著

本書は、2006年度に、東洋大学にPPPPublic/Private Partnership)専門の社会人大学院公民連携専攻を開設して以来、全国の関係者に多くの事例や論考を提供することで、政府と市場のあり方の国民的議論の一助とすることを目的として毎年発行しており、今回が13回目の発行となる。

連続して発行することは決して容易なことではないが、13回目を迎えることができたのは、PPPの推進のためにご後援いただいている機関、ならびに、本書を楽しみにしてくださっているすべての読者、また、企画段階から尽力いただいている時事通信出版局の永田一周氏の支援のおかげであることは言うまでもない。この場を借りてあらためてお礼申し上げたい。

今回は、第部の特集テーマは公的不動産活用である。わが国には大量の公的不動産が存在している。筆者が2017年度に試算したところ、現在の公共施設の余剰分を賃貸するだけで年間2.6兆円の収入が見込める。消費税率に換算すると1%を優に超える膨大な財源となる。これが1年だけでなく継続的に発生するのである。さらに、今後はこれに学校統廃合による余剰地が加わる。現在わが国では、人口減少、特に生産年齢人口の減少による税収の低下、高齢化による社会保障費用の増加、インフラの一斉老朽化による更新投資圧力に見舞われている。公的不動産の有効活用は、その一部を解決する有力な手段なのである。

この大きなテーマに関して、各界の執筆者がそれぞれの担当領域で執筆している。根本祐二(東洋大学)「公的不動産の視点から見た学校統廃合の未来」、菊地マリエ(公共R不動産)「公民連携の不都合な真実」、吉川清志(千葉県習志野市)「公的不動産の有効活用推進における民間への期待」、原征史(大和リース)「民間から見たPREへの期待と課題」、齋藤宏城(青森県平川市)「省インフラ行政を目的とした自治体庁舎のあり方について」、難波悠(東洋大学)「日本におけるランドバンクの可能性」、黛正伸(JICA専門家)「スラムの生活環境改善手法低所得者向けソーシャルリートの活用」、何流、袁子挙(東洋大学)「中国における土地所有と都市化の問題(仮題)」である。いずれも、官民の関係者の参考にしていただける論文として自信をもってお勧めするものである。

部は、「PPPの動き」である。まず、序章として、PP研究センター長の根本祐二が「近年のPPP政策の展開」を執筆した。2018年には第6PFI法改正がなされ、内閣府に省庁を横断するワンストップ型窓口が設置されたほか、コンセッションと指定管理者を併用する場合の手続きの簡素化、水道・下水道事業のための借金の繰り上げ償還の際の補償金免除などが盛り込まれた。第1章以降は、公共サービス型、公共資産活用型、規制・誘導型のPPPの3分類に沿って整理した後、PPPを取り巻く環境とPPPの各分野での動きを整理している。紹介している事例は、例年通り、時事通信社iJAMPからの情報を元に取り上げた。対象期間は、20179月~20188月を対象としている。事例数は、994に上り類書の中では圧倒的に多数の事例を紹介している。

是非多くの方々に本書をご一読いただき、参考としていただければ幸いである。

2018年10月

「公民連携白書」執筆者の代表として根本祐二(東洋大学)