Q.大学院に進学しようと思った動機や経緯を教えてください。
A. 大学4年次の卒業研究で、Webサイトの安全な認証に関するセキュリティの研究を行いました。この研究を進める中で、セキュリティについてさらに深く学び、先端的な研究を行いたいと思い始めました。しかし、研究室に配属される前に就職先が決まっていたため、ストレートに大学院へ進学することは諦めました。就職後、セキュリティに関する仕事に従事し、社会人としての経験を積む中で、さらにセキュリティ研究の最前線に関わりたいという思いが強くなり、大学院への進学を決意しました。
Q.大学院進学にあたり、誰かに相談しましたか。また、周囲の反応はどうでしたか。
A.大学院進学にあたり、学部時代にお世話になった満永先生と会社の上司に相談しました。大学院での研究内容はある程度決まっていたため、満永先生に相談したところ、進学を勧めてくださいました。その際、社会人学生という状況を踏まえた研究スケジュールについても話し合い、現実的な計画を立てることができました。会社の上司やメンバーにも大学院進学の意向を伝えたところ、皆が「いいね!頑張れ!」と快く送り出してくれました。職場の理解と応援が大きな励みになり、大学院での研究に向けての意気込みも一層高まりました。新しい知識を深め、自分自身の成長に繋げるために、これからも努力を続けていきます。
Q.進学先として東洋大学を選んだ理由や、大学院を選ぶにあたって重視した点を教えてください。
A. 東洋大学を進学先に選んだ理由は、満永先生から再度学びたいと強く思ったからです。満永先生はセキュリティの最前線に立つ専門家であり、その指導を受けることで自分の知識や技術をさらに深められると考えました。また、研究室には研究に必要な機材が充実しており、研究員の方々が多く在籍しています。これやりたい!と思った実験や研究にすぐに取り組むことができ、教員や研究員の方との交流を通じて幅広い知見を得られることも大きな魅力でした。
Q.研究テーマや受講している授業について教えてください。
A.研究テーマは、企業のセキュリティリスク評価の処理や手続きを、大規模言語モデルを活用して自動化する研究です。
この研究に興味を持った背景には、サイバー攻撃の複雑化が進み、セキュリティインシデントが企業の規模を問わず発生している現状があります。特に、中小企業でも効率的かつ効果的なセキュリティリスク評価ができるようになることが社会貢献につながると考えました。セキュリティリスク評価には専門知識が必要となり、資金や人材不足といった課題に直面している企業が多く世の中にあります。この社会課題を解決したいと思い研究をしています。
Q.入学してから感じた本大学院の魅力、指導教員や研究室の仲間とのエピソードなどがあれば教えてください。
A. 本大学院に入学してから多くの魅力を感じております。まず研究発表奨励金があり、学会で発表し、申請することで受け取ることができます。
また、オンラインで講義を受講できる環境が整っている点が魅力です。社会人学生として講義と業務を並行して行うにあたり、業務が忙しくても講義は遅れることなくすべて受講することができています。
指導教員や研究室の仲間とのエピソードで特に印象に残るのは、研究の実験が成功したり、執筆した論文が国際会議に採択されたりする際に、先生や研究室の仲間たちと共に交流会を開いて成果を祝ってもらえることです。こうしたイベントを通してさらに研究へのモチベーションを高めることができ、研究室の仲間との絆を深めることができます。また、研究に行き詰ったときにも研究室のメンバーと雑談することがあります。意外とそうした雑談の中で新しいアイデアを得ることができることもあります。またゼミはディスカッションを中心に行われ、先生から直接、親身になってアドバイスをもらえるだけではなく、メンバー同士で討議しあうことで理解が深まります。研究はうまくいく時も、うまくいかない時もありますが、研究室全体がチームとしてお互いに支え合いながら研究を進められていると感じています。
Q.研究を進めていくうえでの苦労や課題はありますか。
A. 研究を進めていくうえでの一番の課題は、業務と研究の両立になります。平日は業務に加えて授業もあり、まとまった時間を確保できるのは土日祝日のみです。そのため限られた時間の中で成果を出すために、詳細な計画を立てることが重要となっています。
Q.大学院での学びを通して今後目指したい姿や将来進みたい道などを教えてください。
A. 私は大学院での学びを通じて、さらに専門性を追求するために博士課程後期に進みたいと考えています。研究と発表を繰り返しながら、得た知識と成果を社会に役立て、社会課題の解決やサイバー攻撃から社会を守ることに貢献したいと思っています。
Q. 大学院での学びが勤務先で活かされていることがありましたらご紹介ください。
A. 大学院での学びを通じて、勤務先での業務に多くの点で役立てることができています。まず、プレゼンテーションにおいて、どのような表現をすれば相手により効果的に伝わるかを学びました。これにより、他人のプレゼンを客観的かつ複眼的に見る能力が向上し、自分のプレゼンの質を高めることができました。
さらに、デジタルトランスフォーメーション(DX)について学んだことで、社会課題に対する意識が高まりました。これにより、さまざまな業界に対して興味を持つようになり、視野が広がりました。以前は関心がなかった分野にも目を向けるようになり、世界観が大きく変わりました。
加えて、研究を通じて解決策を様々な視点から検討する能力が身につきました。これにより、問題解決において多角的なアプローチが可能となり、より効果的な対策を提案できるようになりました。
Q.大学院生としての1週間のスケジュールを教えてください。
A.
月曜日 仕事と講義の受講
火曜日 仕事
水曜日 仕事と講義の受講
木曜日 仕事
金曜日 仕事とゼミ
土曜日 講義の課題と研究
日曜日 講義の課題と研究
Q.最後に、大学院進学を検討している方へのメッセージをお願いします。
A. 大学院に進学し何を研究するのかという目的を明確に持っておくことが重要だと思います。研究には自主性と努力が必要となるため、研究内容や成し遂げたいことが曖昧な状態だと、大学院での生活が難しくなります。また、研究室は自分にあった研究室を選ぶことが重要となります。もし進学を考えているなら、まずは研究室訪問を行い、自分にあった環境なのかなどを確認してみてください!
掲載されている内容は2024年7月現在のものです。
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