社会福祉学研究科 学部長 伊奈川 秀和

研究科長メッセージ

最先端の研究成果を還元し、
持続可能な社会福祉の構築に貢献

2020年度の社会保障給付費は132兆円を超え、GDPの約25%となっている。このうち介護保険、生活保護等も含めた社会福祉は全体の約2割を占める。医療が全体の約3割であることと比べても、近年の社会福祉の比重の増大は著しい。それは、高齢化と少子化が同時進行する人口減少社会が抱える社会福祉の課題の大きさの反映でもある。介護、障がいや保育はいうまでもなく、格差・貧困、孤独・孤立、虐待、社会的排除など社会福祉の課題は多い。

多岐にわたる社会福祉の課題を、理論と実践を通じて真正面から受け止めるのが社会福祉学である。東洋大学は、社会福祉教育に100年を超える歴史を有しており、日本の社会福祉のパイオニアである。社会福祉学研究科は、先達の社会福祉に関する研究・教育の礎の上に、最先端の社会福祉学の研究成果を次代を担う学生の教育や地域・国際社会に還元する役割を担う研究科として創設された。2023年4月にはキャンパスを赤羽台に移し、この地を社会福祉の研究・教育における東アジアのハブとすることを目指している。

いまや日本の就業者の約8人に1人は医療・福祉分野で働いている。今後の医療・福祉ニーズの増大に鑑みるなら、ますます多くの有為な人材が社会福祉分野に求められており、それは他の東アジア諸国等も同じであろう。そうした中で本研究科としては、ローカル及びグローバルの両面において持続可能な社会福祉の構築に貢献していきたいと考えている。

社会福祉学研究科 研究科長

伊奈川 秀和

Hidekazu Inagawa

PROFILE プロフィール

所属:福祉社会デザイン研究科 社会福祉学専攻 教授/博士(法学)
専門分野
社会福祉運営論、社会福祉法、社会保障法政策