社会福祉学研究科 研究科長

研究科長メッセージ

グローカルな視点を持ち
哲学を基盤とした学びで
「幸福(幸せ)」を追究する

社会福祉の福祉とは、「幸福(幸せ)」という意味があります。個人の幸福は、社会のあり様、すなわち個人を取り巻く社会環境が、「幸福(幸せ)」に影響を与えるのです、したがって社会福祉研究科は、まさに個人の幸せそして社会の幸せ、さらに地球全体の幸せを追求していく学問であるといえます。

いま、国内外において、戦争、自国優先の経済政策、社会正義を振りかざした後を絶たないテロ、差別、格差、虐待をはじめとするさまざまな「社会問題」が顕在化してきています。そして私たちは、「いま・ここ」(Here and Now)で生きています。「いま・ここ」に生きづいているさまざまな場面が、未来の「いま・ここ」に大きな影響を及ぼすことになります。自らの生活というミクロレベルの「いま・ここ」という「ローカル」な視点と、それらに密接に関係している自分、地域、国および人々、宗教、自然、環境等を世界、宇宙をつなげていく視点である「グローバル」な視点の両方を持つ「グローカル」な視点が求められています。です。それはまさに、東洋大学の創立者井上円了の志である「諸学の基礎は哲学にあり」とし、「哲学の研究・普及が国家・社会の文明を発展せるために不可欠」というものです。幕末から明治にかけて、日本が西欧の影響を強く受けていくなかで、日本人のよりどころを取り戻すために「哲学」による「ものの見方・考え方」を人々になかに育てていくことを実践していきました。したがって、社会福祉学研究科ではこの「哲学」を基盤とした社会福祉学の学びを通して研究を推進していきます。

東洋大学は、社会福祉教育に100年を超える歴史を有しています。そして社会福祉学研究科は、先達の社会福祉に関する教育・実践・研究の礎の上に、最先端の社会福祉学の研究を推進しています。社会福祉の政策・制度、歴史およびソーシャルワークをバランスよく研究できる体制を構築しています。さらに国際社会に還元する役割を担う研究科として、2023年4月からは赤羽台キャンパスに移動し、この地を社会福祉の研究・教育における東アジアのハブとすることを目指しています。「いま・ここ」にある「わたし」が、社会の諸問題にいかに向きあうのかをともに考え、議論し、研究し、社会変革を目指すのが社会福祉学研究科です。

社会福祉学研究科 研究科長

髙山 直樹

Naoki Takayama

PROFILE プロフィール

所属:福祉社会デザイン研究科 社会福祉学専攻 教授/修士(社会福祉学)
専門分野
社会福祉学