法学研究科 学部長 李 芝姸

研究科長メッセージ

深い専門知識と
異分野融合による多様性から
創意的な価値を生み出す

大学院法学研究科は1964年に設置された非常に歴史のある研究科として、これまで多くの研究者および法律専門家・実務家を輩出してきました。

現在、法学研究科は私法学専攻と公法学専攻の二つの専攻で構成され、私法学専攻では民法(財産法および家族法)、環境法、会社法、保険法、労働法、社会保障法、経済法、知的財産法、民事訴訟法、倒産処理法、国際私法等の法分野を研究する院生が所属しています。公法学専攻は憲法、行政法、税法、情報法、刑法、刑事訴訟法、国際法、法制史、政治学、行政学等の分野を研究する院生が所属しています。

各専攻には高度な専門知識と多彩な研究実績をもつ教授陣による指導体制が整っており、少人数の双方向型で行う授業において専門知識の探求と専門性の向上を目指す院生を指導しています。そして、新たな問題について多様な角度から創意的解決策を探ることのできる融合的人材を育成するために、所属する専攻分野に限定されることなく、他専攻分野の授業も自由に受講できるようになっています。

急激に多様化・複雑化する現代社会においては、高度の単一化した専門知識のみならず、多様性と対応力、応用力を兼備した人材が求められています。そこで、法学研究科では他研究科・専攻の授業科目および交流協定校(「委託聴講生制度(特別科目履修生)」、「首都大学院コンソーシアム協定聴講生制度」)の授業科目を履修できるようになっています。すなわち、法学研究科では専門とする分野と異分野間の学術的融合可能性を広げて、新たな価値創出を目指す院生が総合融合的かつ実践的に研究できるようになっています。

そして、法学研究科では前期博士課程の2年と後期博士課程の3年が標準的な修学期間になっていますが、本学の学部から大学院へと進学する学生につきましては、学部の4年生の段階から前期博士課程1年目の科目を履修できる先行履修制度がありますので、前期博士課程を1年で終わらせることが可能です。また、資格試験の勉強を併行して行うことを考えられる院生については、2年分の学費でそれ以上の長期間在籍できる長期履修制度も利用できます。

今まで大学院は研究活動を通じて知識の生産と価値創造を先導し、高度な研究能力のある専門人材を養成する教育機関として学問の発展に貢献しています。ところで、社会的変化に伴いましてリカレント教育の重要性がますます高まり、大学院はその学びの場にもなっています。

そこで、現在、法学研究科の前期博士課程においては、①学部で修得した法学・政治学・行政学分野の理解をさらに深めること、②大学を卒業して社会に出た者が仕事上の必要等に応じて学び直しをすること、③リスキリングを学習の目的とし、研究者の養成のみならず、社会的ニーズに応じたより実践的・実用的な研究を行い、知の社会還元の実現に向けて努力しています。そして、後期博士課程におきましては、従来通り、研究者養成のため、国内法に限らず比較法的分析をも用いた法理論の知識探求を自立的に行うことができる研究能力を身につけてもらうべく、専門性を向上させる徹底的な指導を行っております。

法学研究科は社会において実践可能でありかつ応用可能な知識および思考力の修得を目的とする研究・教育機関ですので、大学院卒業後の進路は決して狭くありません。
知的好奇心と勉学意欲にあふれ、豊かな学識と高度の専門知識、学術的研究能力、実務能力の涵養を目標とする多くの方が門戸を叩くことを期待しています。
私たち教員・職員は法学・政治学・行政学に興味や問題意識、知的探求心のある多様な背景をもつ院生の入学を心からお待ちしております。

法学研究科 研究科長

李 芝姸

Lee Jiyeon

PROFILE プロフィール

所属:法学研究科 私法学専攻 教授/博士(法学)
専門分野
商法(保険法)