About Toyo University 【特集】2018.12 OB・OGの今:若林正恭さん

Alumni Today  Special Interview OB・OG の今

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お笑いタレント

若林 正恭 わかばやし まさやす

Profile

お笑いコンビ「オードリー」のツッコミ担当。2001年、文学部第2部国文学科[現・日本文学文化学科(イブニングコース)]卒業。同年4月にデビュー。『M-1グランプリ2008 』で2位となりブレイク。司会者や俳優としても活躍。2013年に雑誌連載をまとめたエッセイを出版。2 冊目の旅エッセイでは斎藤茂太賞を受賞する。2018 年8月末に3冊目の著書となる「ナナメの夕暮れ」を刊行。

大学時代は「何もしていなかった」とあせっていましたが、
今に繋がる肥やしになった貴重な時代でしたね。

幼い頃からずっと「考えすぎ」と言われていたんですよ。どうも人とテンポが違う。大学時代は第2 部(イブニングコース)でしたから、結果的に一人で過ごしていて気ままなものでした。白山キャンパスの図書館に入り浸って、本やDVDを探索していました。立川談志師匠の落語は全部見たし、大好きな映画『トレインスポッティング』は何度も見ました。また、村上龍さんのエッセイを読んで「こんなこと考えている人がいるんだ」と驚いたり、そんな日々でしたね。授業では、「哲学」の講義が印象に残っています。例えばディスカッションのとき、クラスメイトには会社勤めの女性や60歳のおばあちゃん、消防士さんなんかもいたのですが、自分の若い発言が「大人の見解」で早々と論破されてしまうんです。いろんな見方や考え方があることを改めて実感しました。思い返してみると、こういうのって全部、肥やしになってますね。今にしっかり繋がっている。
 ただ当時は本当に「何もしていない」という感覚が強かった。そんなこともあり、大学4年生の4月に思い立って相方の春日と二人でオーディションを受けたわけです。そこで体感したお笑いライブの快感が忘れられず、この世界に入る道を選びました。
 今でも、考えすぎだと言われようと、一つひとつ自分なりに解決しないと次に進めない気質は変わりません。今回3冊目のエッセイ集を出させてもらってますが、自分と同じような生き方音痴の人にも読んでもらって、「ああ、こんなヤツもいるんだ」と気持ちが楽になってもらえたらいいなあ、なんて思っています。

gakuho255_nanamenoyuugure 「生き辛い」と感じている全ての人に送るエッセイ集ー『 ナナメの夕暮れ』
出版社:文藝春秋 発売日:2018(平成30)年8月 

若林正恭さんの特集記事『文化祭のステージに上がれなかった自分に。』をWebメディア「LINK@TOYO」にて公開中です。

https://www.toyo.ac.jp/link-toyo/culture/wakabayashi_masayasu