About Toyo University 【特集】Progress -未来へはばたく在学生-(経営学部 経営学科 蜂巣ゼミ)

蜂巣ゼミ

ゼミ生(左から経営学科4年 渡邉 稜人さん、赤嶺 けいなさん、岡 真優さん、田子 瑞稀さん)と蜂巣先生(右端)

東洋大学には学問・研究・スポーツ・ボランティアなど、多彩な領域で活躍する学生がたくさんいます。今回は、栃木県庁ととちぎ農業女子と産官学で連携し、学食プロジェクトを推進した蜂巣ゼミにお話を伺いました。


経営学部 経営学科 蜂巣旭ゼミ

経営における組織論や戦略論を専門に、座学と実践を繰り返しながら学ぶゼミ。

2022年栃木県庁が男女共同参画を目指す一環で推進する、「農業女子の農産物」を使ったコラボメニューを本学の学食で販売した。

自分たちから動くことで、プロジェクトを進めることができた。

蜂巣ゼミ

蜂巣ゼミでは主に春学期に座学で理論を学び、秋学期にその実践として複数の班に分かれて行政や企業と連携して社会課題を解決するプロジェクトに取り組んでいます。私たちの班は栃木県の女性農家の方がPRや販路拡大に困っていると知り、2021年秋に学食プロジェクトを発足させました。初めは評判の良い東洋大学の学食でコラボメニューを作れば栃木の農業や野菜、女性農家のみなさんの存在も広く周知できると考えました。しかし、過去に地元の大学や学校給食との連携が頓挫した経験があり、先生にも「簡単に進まないのでは」と言われていました。話を前進させるためにはきっかけが必要だと思い立ち、私たちの判断で学生部にプロジェクトの説明会を打診し、プレゼンの機会をいただきました。またプロジェクトが少しずつ進むにつれ、栃木県庁にご提案する機会をいただき、どんどんと計画が動き始めました。自ら積極的に行動する大切さを知るきっかけにもなりました。

「諸先輩」と信頼関係を築くということ。

プロジェクトシーン

プロジェクトは動き始めたものの、大学や県庁の方々、農家のみなさんとどう接したら私たち学生のことを信用し任せてくれるのかと悩んでいました。ある日、学生部と食堂運営会社にメニュー候補を提案した時に「それは学生が求めているの?」と聞かれたんです。“栃木県の農作物で作れる料理”にとらわれて、学生への目線が抜けていました。そこから学食全体に対する意見を聞くために教務課の協力を得て大学公式アプリを使ってアンケートを実施し、400人近くの回答が得られました。その結果を根拠に再提案させてもらうと、より明確に企画の意図や可能性を提示でき、学生部や県庁の方々からも好評が得られました。

それ以外にもコラボメニューが学食のオペレーションに負荷をかけないか、食材の旬はコラボ期間と親和性があるか、全体のコスト計算など、当初は想像もできなかった細かな調整を繰り返しました。その際、大学や県庁からのサポートもありスピード感を持ってプロジェクトを進行でき、農家のみなさんにも喜んでいただけました。また実際に収穫をお手伝いさせていただき、農作物の背景には農家のみなさんそれぞれの想いが込められていることを知りました。生産者の情報を盛り込んだPOPを作って学食に貼ったり、ホームページを作成するなど農家のみなさんの想いを学生に伝えることは学食プロジェクトの大切な軸となりました。

おかげさまでコラボメニューは1週間毎日完売の大成功。2022年11月には親子で参加できるロコモコ手作り体験のワークショップを開催し、2023年3月には「とちぎ女性農業者フォーラム」で発表する機会をいただきました。本プロジェクトは後輩たちにも引き継がれ、2023年6月には第2弾を学食で販売し、完売しました。社会人と学生の立場関係なく、きちんと根拠や情報を集め、誠心誠意相手に対して向き合うことで、対等な「信頼関係」が成り立つことを実感しました。

プロジェクトシーン

プロジェクトシーン

コロナ禍を経た成功体験で、自分自身の軸が見つかった。

私たちは大学生活のほとんどをコロナ禍のなか過ごしてきました。「大学生活で何も残せていない」という思いもあるなか、今回のプロジェクトでみんなが考えてきたアイデアが形になって、参加・協力してくださる方々にとっても互いにメリットがあり、それを消費する人にも喜んでもらうことができました。努力が報われて成功体験を得たことが未来への大きな自信につながるとともに、自分が何にやりがいを感じるのか、何を目指したいのかが明確になりました。また、大学生数人が起こした行動でも、たくさんの人を巻き込み大きなプロジェクトを生み出せることを体感し、現代社会が求めるSDGsといった目標も一見すると難しく考えてしまいますが、皆がちょっとしたアクションを起こすことで実現できるのではないかと感じました。

指導教員の声

学生たちは今回のプロジェクトを通して経営学で言われる「オープンイノベーション」を実践できたのではないでしょうか。理論と現実は必ずしもつながる訳ではありませんが、理論を学び実際に取り組むことで新たな課題が見えてきて、今度はそれを改めて理論で学ぶ日が来ると思います。それぞれの個性をいかした素晴らしい班でしたが、他の班も同様の成果を残しており、どのゼミ生も未知の分野での成功体験を積めたことで社会に羽ばたいた後も「このプロジェクトを乗り越えられたんだ」と自信を持って活躍してくれることを願っています。

※自社だけではなく他社や大学、行政など異業種、異分野が持つアイデアや技能、データを組み合わせることで、革新的なビジネスモデルや改革を進めること。

蜂巣 旭准教授

経営学部 経営学科
蜂巣 旭准 教授

 

学食に掲示したポスター➀

学食に掲示したポスター➀

学食に掲示したポスター②

学食に掲示したポスター②

コラボメニュー

産官学連携学食プロジェクトで開発したコラボメニュー

蜂巣ゼミ

私たちの在籍する蜂巣ゼミは、2~4年生合わせて44名のにぎやかなゼミです。