About Toyo University Progress 未来へはばたく在学生 文学研究科 史学専攻 1年 鈴木 寿明

Progress 未来へはばたく在学生

 東洋大学には学問・研究・スポーツ・ボランティアなど、多様な領域で活躍する学生がたくさんいます。
 今回は、本学の創立者である井上円了について研究し、東洋大学羊羹「円了羹(えんりょうかん)」を発案するなど多彩な活動に力を入れている大学院生の鈴木寿明さんにお話を伺いました。

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文学研究科 史学専攻 1年
鈴木 寿明さん

東洋大学生活協同組合監事。文学部史学科入学後、創立者・井上円了に魅了され、2025年、同組合理事時代に東洋大学羊羹「円了羹」を発案。2026年、円了の思想や言動を深く研究するため、大学院文学研究科に進学。

井上円了先生は人生のロールモデル

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 東洋大学に入学試験で訪れた際、「誰だろう?」と銅像を写真に撮ったのが井上円了先生との出会いです。大学の成り立ちには関心があったので、PDF で公開されていた『チャレンジャー井上円了』を読み、長谷川琢哉教授(法学部)の「井上円了と東洋大学」や「井上円了と建学の精神」を受講しました。私はもともと歴史が好きで、特に惹かれるのが人物の生き様です。円了先生はお寺の長男として生まれ、明治維新という激動の時代の中で教育の普及を目指し、哲学館(現在の東洋大学)を創立しました。順風満帆に見える一方で大きな挫折も経験し、優れた学者でありながら人情にも厚い。そのギャップと物語性に強く惹かれ、「こんな漫画みたいな人が実在したのか」とのめり込みました。
 調べれば調べるほど面白いエピソードが見つかり、得た知識を基にトモダチコレクションで円了先生を再現してみたのですが、挑戦的で情熱的なキャラクターが出来上がり、自分の解釈とも重なってうれしかったです。
 私は将来、中学校の教員になりたいと考えています。教育者としての円了先生に憧れがあり、「自分もこんなふうに学び続けたい」と思っています。私にとって円了先生は、人生のロールモデルなんです。

※任天堂より発売された、身近な人のアバターを作り(外見だけでなく性格の設定も可能)、その生活や人間関係を観察するコミュニケーションゲーム

“推しグッズ”の企画、開発にも挑戦

 知れば知るほど円了先生に惹かれ、いつの間にか自分の“推し”のような存在になっていました。そこで考えたのが“推しグッズ” です。学部生時代から所属する公認サークル、筆記具愛好会で円了先生のしおりを手作りし、裏には関連サイトにアクセスできる二次元コードを載せました。東洋大学井上円了記念博物館や生協に置いていただいたところ、予想以上の反響があり、とてもうれしかったです。
 私は普段から手書きが好きで、ペンとノートを愛用しています。インクは紙質や時間経過で表情が変わり、デジタルにはない魅力だと思っています。そこで、文房具好きの間で有名な岐阜県大垣市の川崎文具店でオリジナルの万年筆インクも作りました。インクの色は、妖怪研究でも知られる円了先生をイメージした深みのある緑色。そこに少しだけ赤みを加え、内に秘めた情熱を表現しました。ダジャレ好きな円了先生にちなんで「オリ円タル」と愛好会の仲間が名前をつけてくれました。
 また、円了先生は甘いもの好きとしても知られ、常に羊羹を持ち歩いていたそうです。そこから着想し、円了先生の羊羹「円了羹」を生協の方と半年以上かけて開発しました。本煉、挽茶、胡麻、珈琲の4 つの味が楽しめるセットにして生協で販売し、なかなか好評だそうです。私自身も先生にあやかっていつも羊羹を携帯し、勉強の合間に食べて気分転換しています。

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円了先生の「生涯学習」の理念に共感

 円了先生は「人生は楽観して奮闘すべき舞台である」など、「奮闘」を使った言葉を数多く残しています。「奮進健闘」という力強い表現もあり、それ自体が円了先生を表しているなと感じ、好きな言葉になりました。名言をSNSにアップロードする「円了書写」の活動も、筆記具愛好会で3年ほど続けています。言葉の意味をじっくり考えながら、万年筆や鉛筆で書写する時間がとても好きです。
 もっと深く円了先生について学びたいと思い、この春大学院に進学。「明治期における都市・農村の人的ネットワーク」のテーマで修士論文に取り組んでおり、事例として円了先生を取り上げる予定です。大学院進学は指導教員の岩下哲典教授にも勧めていただいたのですが、先生は以前、私の地元で歴史講義もしてくださいました。これは東洋大学の講師派遣事業の一環なのですが、その事業も全国巡回講演を続けた円了先生の理念につながっています。円了先生は学校教育の第一線を退かれてから全国を巡って講演活動を行い、その数は5,291回にのぼります。今でいう生涯教育やリカレント教育を先駆けて実践されていて、私はその教育理念に強く共感しています。円了先生のような教育者になれるよう、これからも奮闘していきます。

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当日はたくさんのグッズを持参いただきました。❶ 関連書籍。❷円了先生の格言を書写したノート。 ❸ 好きな言葉は「奮進健闘」。❹❺❻ 鈴木さんを中心に開発した万年筆用インク「オリ円タル」、羊羹「円了羹」、しおり。インクや羊羹の説明文は鈴木さんが執筆。
また、SNSアカウント「円了書写」の運営も。( https://x.com/enryo_shosha/