About Toyo University 創立者 井上円了 知の境界を超える探求心

 東洋大学の創立者 井上円了(1858-1919)は、哲学者、教育者、仏教者、著述家、妖怪博士、世界旅行者など、さまざまな顔を持つ人物です。ここでは探求心に富む円了の多様な側面の一部を紹介します。

妖怪博士としての円了

 円了が学者として長年追究したのが妖怪です。妖怪とは、この世でありとあらゆる不思議とされる事象・現象のこと。円了は哲学的な見方・考え方をもとに、科学的知見も交えながら、それらの解明を試みました。

妖怪博士

代表著書『妖怪学講義』掲載のコックリさんの図。円了は当時大ブームとなったコックリさんの謎を解き明かした。

世界旅行者としての円了

 海外への渡航がままならない明治時代に、円了は3度にわたって世界一周の旅に向かいました。各国の教育・宗教・生活文化を視察し、生きた情報を自らの活動に取り入れ実践することで、日本の社会と人々のために役立てようとしました。

世界旅行者

大正時代にも中国一周旅行を敢行(写真は万里の長城にて)。第1回の視察ではパリ万博の見学も

ダジャレ好きとしての円了

 学者という堅いイメージに反して、実はユーモアあふれる人柄の円了。ウィットに富んだ軽妙なエッセイを書いたり、ときにはダジャレを連発した戯歌(ざれうた)も詠んでいます。

ダジャレ好き

自身がデザインした「井の上に円が乗った」、ダジャレを交えた円了のお墓。

ゲーム開発者としての円了

 1890年、円了は将棋、囲碁、チェスなどを参考にしてボードゲーム「哲学飛将碁(てつがくとびしょうご)」を考案。ゲームを通じて、難解な哲学の世界に触れられるよう工夫しています。

哲学ゲーム

2023年ルール解説動画を公開しています。
https://sites.google.com/toyo.jp/iecp-game?pli=1

コーヒー好きとしての円了

 円了は「茶会」のような対話を大切にしており、よくコーヒーを飲んでいたそうです。哲学堂公園での講演会では「参加者には甘酒か紅茶かコーヒーを出すこと」としていました。その言い伝えは、毎年11月開催の「哲学堂祭」にて継続しています。

珈琲物語

史実を基にしたオリジナルコーヒー。本学OBが代表を務める株式会社サザコーヒーが開発した。

井上円了に関する記念日

学祖祭(6月6日)
 井上円了の命日にちなみ、蓮華寺(東京都中野区)で法要を行っています。

哲学堂祭 (11月第1土曜日)
 哲学の普及を願った井上円了の遺言に基づき、哲学堂公園(東京都中野区)で四聖(釈迦、孔子、ソクラテス、カント)について講演しています。


 2025年3月、井上円了の波乱に満ちた半生を描いた『マンガ円了』が全7話で完結しました。歴史ある真宗大谷派の寺院の跡取りとして生まれた円了が、哲学との出会いを経て、いかにして「哲学」を日本に広め、哲学館(現・東洋大学)を創立するに至ったのか『マンガ円了』を通して追体験いただけます。ぜひご覧ください。
https://sites.google.com/toyo.jp/iecp-manga

井上円了記念博物館
展示物写真
展示室写真

東洋大学井上円了記念博物館は、哲学館に始まる本学の歴史・伝統とともに本学が所蔵する貴重な歴史的資料や教育・研究の成果を学内外に公開することを目的として設置されています。井上円了・東洋大学関係資料(自校史資料)を中心に、さまざまな資料の収集・保存および公開を行っています。ぜひご来館ください。

場所:白山キャンパス5号館1階
開館時間:(月〜金曜日)9:30〜16:45 /(土曜日)9:30〜12:45
休館日:日曜、祝日、年末年始、その他本学の定める休業日
入館料:無料

https://www.toyo.ac.jp/about/founder/iecp/museum/