About Toyo University Alumni Report 構成作家・クイズ作家 矢野 了平

Special Interview OB・OG の今
Alumni Report 矢野さんMV

構成作家・クイズ作家 
矢野 了平 やの りょうへい

Profile

2001年、文学部第2部教育学科[ 現・教育学科(イブニングコース)]卒業。幼い頃からクイズ好きで、高校時代はクイズ研究会に所属し、大会での優勝経験を持つ。 本学在学中はクイズサークル「SQUEEZE」に所属。これまでに手掛けた番組は『トリビアの泉』『水曜日のダウンタウン』『99人の壁』『くりぃむクイズ ミラクル9 』など。

人気番組を数多く手掛ける、構成作家・クイズ作家。

多くの人気テレビ番組の企画はいったいどのように考えられているのでしょうか。「楽しい方が良いですよね」と番組企画について語る矢野了平さんは、大学在学中に「高校生クイズ(全国高等学校クイズ選手権)」の問題を作るアルバイトをしていたご縁からテレビ番組の世界へ。現在は構成作家・クイズ作家として、クイズの作問のほか『水曜日のダウンタウン』『マツコ&有吉 かりそめ天国』といったバラエティ番組の構成も手掛けるなど幅広く活躍されています。

出会いの連続で、心躍る世界へ。

 子どもの頃からクイズが好きで、高校生のときから大学生も参加するクイズの交流会に顔を出していました。その会場として白山キャンパスがよく使われていて、東洋大学は入学前から馴染みのある場所でした。大学入学後はクイズサークルで過ごした時間が大学生活の一番の思い出です。サークルのメンバーは、クイズ番組に出て活躍したいというモチベーションがベースにあって、その当時放送されていたクイズ番組のルールに基づいた問題を作り、仲間と出し合っていました。
 大学3年のときに知り合いに紹介されて「高校生クイズ」の作問のアルバイトを始めました。毎週30問ほどのクイズを作るために、問題のタネになりそうな情報を新聞や週刊誌からストックする日々でした。そうやって毎週放送局にお邪魔していたときに、当時のプロデューサーから「構成作家をやってみないか?」と誘われたんです。「クイズでご飯が食べられるようになるなら… 」と迷わずこの世界へ飛び込みました。
 最初の頃は番組で使うクイズ問題の事実関係が正しいかを調べるリサーチャーを任され、辞書を引いたり、専門家に電話をかけて裏取りなどをしていました。問題が足りないときは自分でも何百問と作るときもありましたね。大きな転機は3年目くらいの頃。当時ちょうど深夜帯からゴールデン帯に上がったばかりの『トリビアの泉』のお手伝いをしたんです。最初はリサーチャーとして参加したのですが、企画会議が行き詰まったときにアイデアを出していたら、当番組の構成作家として正式に呼ばれるようになりました。有り難いことに、当時視聴率を上げていた人気番組の「若手作家」という肩書きも付き、そこから構成作家としての仕事も増えていきました。
 流れに導かれるように憧れの世界で働くことになりましたが、どんな仕事もとにかくワクワクして楽しかったことを覚えています。ご縁で紹介いただいたものに真面目に取り組んできたことで、次第にさまざまな仕事を任せていただけるようになりました。

「楽しくなること」を基準に、 企画を膨らませていく。

 企画するうえで重視していることは、どれだけシンプルにできるかです。ルールや仕組みをこねくり回して複雑にすることはいくらでもできてしまう。だからこそ、皆が経験したことがあるシンプルな物事をベースに、まだ誰も思いついていない組み合わせや仕掛けを乗せることによって、企画や番組が面白くなればそれが一番良いと考えています。例えば『水曜日のダウンタウン』。お笑い芸人のダイアン津田さんが「ミステリーの世界に迷い込み解決するまで出られない」という企画をお手伝いしました。その発想のベースには皆さんがよく知るテレビゲームのドラゴンクエストがあり、津田さんがきっかけになるセリフを言わない限り物語が進展しないことにしたのですが、実際のゲームの世界でも村人たちがずっと同じことを話し続けて進まなかったりしますよね。誰もが知っている仕組みにもかかわらず誰も掘り下げていない部分に着目し、企画に落とし込んでいます。また、企画会議では「楽しくなること」を基準に判断しています。豪華グルメの企画では、ゲームやクイズをして勝者のみが食べられる方が良い場合もあれば、戦いなしに全員で食べる方が良い場合もあります。その番組における「楽しさ」を基準に視聴者の方はもちろん、演者さんや私たちスタッフまで含めてどうしたら番組が盛り上がり、より楽しくなるかを考えることも大切にしています。もちろん実現できないこともありますが「あ、この遊園地でこんなことできたら楽しいじゃん!」と、まるで子どものように自由に考えることが面白さを膨らませるコツなのかもしれません。
大学時代にクイズに関してつけていた私のノートを見た人は、私がとても努力したように思われるようですが、私自身は努力したと思ったことはなく、ただひたすら楽しかったんですね。皆さんにも何か楽しいと思えることに出会ってほしいと願います。それが仕事になるか趣味になるか、人の役に立つのかはまだわからなくとも、動いていて苦じゃないことならば良い道を歩んでいる証拠なのだと思いますよ。

矢野さんにクイズを出題いただきました(答えは、スクロールした一番下にあります)。

矢野さんクイズ

Q. に入る色は?

白 青 灰 桃 銀 赤















A. 水 (曜日を示す漢字がそれぞれに含まれており、かつ色を表す漢字が答えとなります。)